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コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2011年3月2日付け

 JICA横浜の移住資料館で3月まで、戦争中に米国で強制収容された日系人の姿を描いた絵画展が開かれている。
 作者のヘンリー杉本は1919年に渡米して絵を学び、41年の日米開戦で収容。木綿の布に絵を描き、収容所の美術教員も務めたという。この他、カメラを密かに持ち込んで収容所の生活を撮影した人もいたそうだ。
 計12万人、米国内はじめ中南米からも連行された強制収容。ブラジルでも、米国のような規模ではなかったものの、サントス、サンパウロ市、アマゾンなど各地で多くの人が移住後築いた基盤を失った。悲惨さは同じはずだが、ブラジルの場合は米日系人ほど日本で知られていないように思う。
 米国のような絵画や写真などの記録が残っていないのも一因かも知れない。記者も書籍などで知るだけだ。そうした資料が全くないのは、考えてみれば不思議な気もするが。(ま)

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