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文協会長選挙=小川彰夫後援会が決起=イタペチ山脈に団結誓う=芳賀さん一肌脱いで協力

ニッケイ新聞 2011年3月3日付け

 ブラジル日本文化福祉協会の会長選挙に立候補している小川彰夫さん(68、二世)の後援会が2月27日、モジ市イタペチ区の「花の杜」観光農園(芳賀七郎園主)で行なわれ、サンパウロ市からバスで駆けつけたグループを含めて約80人が集まり、今月26日の定期総会の評議員選挙投票に向けて気勢を上げた。

 小川さんと昔から親交の深い芳賀園主は〃三度目の正直〃を後押しすべく一肌脱ぐことを決意した。「今の文協は敷居が高い。もっと親しみやすい存在に改革してほしい。俺たちがサンパウロ行ったら気軽に寄り付ける場所にしてほしい」とあいさつで要望した。
 3度目の立候補になる小川さんはマイクを握り、「みんなの心を打つことをする必要が文協にはある。日系社会をまとめることで、日系人・日本人がもっとこの国の役に立つような存在になれるはず」と所信を表明し、賛同者からは惜しみない拍手が送られた。
 大講堂、小講堂を改修して空調を付け、INSS問題は免税を求めて無理に福祉団体化するのではなく、文化団体としての本分を全うする方向で解決策を探るという。
 応援演説で下本八郎元サンパウロ州議は、「INSS問題で多大な罰金がある現在、一端文協を潰して新団体を作ったらどうだという意見もあるが、それでは社会的な責任を逃げたような形になる。今の文協を続け、日本民族は責任から逃げないという姿勢を示すことも大事ではないか。小川さんに期待したい」とのべた。
 羽藤ジョージ州議や安部順二連邦下議の補佐官をする宮原ジョルジさんは、「今の文協には日本人的なところが少なくなっているが、彰夫さんには日本人の魂がある。ブラジル社会に溶け込みつつも日系人ならではの特長を大事にし、もっと日系らしい文協にしてほしい」と檄を飛ばした。
 モジ市農務局長の長尾オズワルドさんも、「モジ市が農村観光政策を始めた時、芳賀さんは真っ先に協力してくれた。政府は常にパルセロ(協働者)を求めている。小川さんもその意識がある人だ。サンパウロ市文協も日系社会を代表する団体として、一般社会に役立つ計画を立案、実行して欲しい」と要望した。
 老ク連会長の五十嵐司さんは「INSS問題で文協が潰れた時、失うのは建物ではなく日系人への信用だ。しっかり立て直してもらいたい」と乾杯の音頭をとり、イタペチ山脈を望む絶景を見ながら団結を誓いあって昼食歓談した。
 林アンドレ元愛知県人会会長は取材に答えて、今までは対抗シャッパをではなく、「一本化を願っていた。でも今までの流れを見ると無理だと思うようになった。どちらかを応援することは避けられない」と語った。
 聖南西のカウカイア文協の元会長、上村優博さんは「小川さんに初めて会った5年ぐらい前、私は『サンパウロの文協だからって偉そうにするな』と突っかかった方だったが、小川さんの人柄が分るに従って『この人ならやれる』と思うようになった。文協からコロニアを変えていって欲しいと期待している」と語った。

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