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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2011年3月15日付け

 いやー驚きました。民主党のベテラン衆議が「日本は竹島の領有権を主張するな」と、韓国の議員らと宣言したのだからーこれはもう仰天するしかない。島根県が「竹島の日」と決めたように、あの島はれっきとした日本の国土であるし、明治時代に国際法に乗っ取って日本領土となったものであり、政府も、この立場と主張を堅持している▲これは中学生の教科書にもきちんと掲載されているそうだし、国民の多くも、この認識に立っている。これらの事情を百も承知しているはずの国会議員が、さながら領土放棄するかのような言動に走るのは眞に遺憾。この奇っ怪な人物は当選7回の土肥隆一衆議だが、日本統治の頃に京城(ソウル)で生まれたせいか、韓国寄りの政治家として知られる▲竹島についての発言もニュアンスがバラバラ。「個人的には竹島は日本の領土とは一概にはいえない」や「(竹島は)政治的には日本の領土だが、話し合いはすべきだ」とか「韓国側の主張にも納得できる」などと首尾一貫したものはない。元々が社会党の出身なのでかなり左翼的だが、今は菅首相派の幹部だけれども、党内からも鋭く厳しい非難の集中砲撃があり、衆院倫理審議会の会長を辞める意向を示したが、野党には議員辞職論も高い▲菅政権になってから、日本の領土問題は、北方領土のロシアと尖閣諸島で中国から「決闘状」を叩きつけられているし、今度は韓国から「果たし状」みたいなものである。こんな下手くそな外交では、日本の将来は真っ暗闇。領土も小さく小さくと縮まるしかないのでは、何とも寂しい限りではないか。(遯)

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