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波紋呼ぶルッピ大臣発言=与儀会長「非常に残念」

ニッケイ新聞 2011年3月18日付け

 17日付けエスタード紙に「ブラジルの大臣の声明を日系人が批判」との記事が掲載された。カルロス・ルッピ労働大臣が「O Brasil vai acabar, apesar de nao desejarmos essa tragedia para ninguem, nao tendo prejuizo, ate ganhando com isso(この悲劇は誰も望まないものだけれども、ブラジルは損害を蒙ることなく切り抜け、利益を得ることすらあるだろう)」と発言したことに対して、文協の木多喜八郎会長が「意図が分からない。不幸せなコメント」、県連の与儀昭雄会長は「みなが災害に対する連帯の気持ちを現している時に相応しくない」と批判したとの記事だ。
 17日の慰霊ミサで〃御三家〃に改めて取材した。木多会長は「僕は批判のつもりで発言していない。デカセギ問題のために尽力してくれている立派な人であり、大臣に悪気があったとは思えない。ただどんな真意があったのか聞いてみたい」とした。
 援協の森口イナシオ会長は同紙記事を読んで、「えっ、本当なの」と第一声を挙げつつも「本人に聞かないと真意は分からない」と語った。「ただ私は日本の大災害に心を痛めている。原発問題が収まり、復興が始まる日を待って祈っている。その時には募金だけでなく、日本に行ってボランティアをすることも含め何かできなかと思っているだけです」。
 与儀会長は「日本がこのような状態の時に、ブラジルの大臣ともあろう重要な人が、このような発言をするのは非常に残念だ。ビックリです。お詫びの一言が欲しいぐらいだ」と強い口調で語った。

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