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イビウナ庵便り=中村勉の時事随筆=11年4月4日=フクシマvs世界

ニッケイ新聞 2011年4月5日付け

 世界各国は日本産食品の輸入に対し警戒し始めた。ブラジルも例外でない。半端でない数のサンパウロの日本食レストランや食材店は大騒ぎしている。
 ブラジル食品当局の通達は以下のようになる模様:
 ▼24日、米国の衛生当局であるFDAが、99−33輸入報告において、福島県、茨城県、栃木県及び群馬県の特定の産品の検査なしに制限することを決めた。24日、EUが12県からの食品の輸入について決定。
 31日、ANVISA(衛生監督庁)及び農務省の共同技術文書において、日本で起こった放射能事故に由来して日本から輸入される食品を管理するための規則について、次のことを決定した。
 第1条 日本で生産又は出荷されたいかなる原料、食品の最終製品、半製品又は未包装のものなど全て輸入品であって、最終的に人間が消費するもので、2011年3月11日以後に製造されたものは、次に掲げる事項のことを行うことになる。
 第1項 日本の衛生当局による申告書の提出は本決議の添付様式に基づいている。
 第2項 その申告書では、食品原料及び食品における放射能物質(ヨウ素:I-131及びセシウム:Cs-134、Cs-137)のレベルがコーデックス委員会によって定められた基準(Codex Standard 193-1995)に適合していることを証明しなければならない。
 第3項 幼児向けの食品を含め、コーデックス委員会が食品に定めたレベルは、ヨウ素:I-131が100Bq/kg、セシウム:Cs-134及びCs-137が1,000Bq/kgとなっている。
 第4項 申告書は、日本語原文とともに、ポルトガル語翻訳文を添付して提出されなければならない。
 第5項 申告書は、法人によって輸入される食品のロット毎に提出されなければならない。
 第2条 ブラジルにおいて食品関連事業者が、2011年3月11日以後に製造された第1条で示した製品の輸入を行っていた場合であって、官報掲載(本決議の施行)前に輸入されていた場合については、ブラジル国内での食品製造又は販売に供してはならない。
 補項 輸入に係る責任事業者は、本条に示した事象に関し、Anvisaの食品総合管理部に対して文書による伝達を行わなければならない。
 第3条 本決議は、公表された日から発効する。▼

 もっとも安全・安心な食品提供国(日本)の信用が一挙に失われた訳で、その回復には相当な期間と努力を要すると覚悟しなければならない。特に、食品は風評被害を受け易いので、上記通達に基づいて輸入されても、消費されるとは限らない。消費者に受入れられるまでには、時間と地道な努力が必要だ。
 日本から一時避難する人々も、フクシマの安定化の進捗状況によっては、増えるだろうし、企業の場合は、恒久的な海外疎開になるだろう。自然災害のリスクとコストがあまりにも高すぎ、生残る為にリスクの分散とコストの安定が不可欠だからだ。

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