ホーム | 日系社会ニュース | 【特別企画】新来シリア移民が見たサンパウロ=日本人と何が違って何が同じ?《6》

【特別企画】新来シリア移民が見たサンパウロ=日本人と何が違って何が同じ?《6》

値札がないシリアのマーケット

値札がないシリアのマーケット

値札がないアラブの店

 アラブではいつも値段を交渉しなければなりません。ブラジルの商品は高いと思うし、あまり交渉もさせてもらえないと思います。販売する人に交渉し過ぎると、商品を売ろうとしなくなります。アラブではしっかり交渉すれば必ず自分に利がある結果を生み出せます。商売のルールがあり、店の人は客が来たら商品を買ってもらうまで交渉し続けます。
 例えば、アラブで引っ越しする人がいるとします。彼は自分の家財道具を全て1万レアルで売ろうとしたとします。実際には交渉の結果、3千レアルで買うことができます。アラブ人は何だかんだと言いながら交渉させてくれます。
 しかし、売っているのがブラジル人なら、彼はその様なことには関わりたくないと思います。ブラジル人と交渉したら、1万レアルを9千レアルにしてくれます。それ以上値下げを求めると売りたくないと言います。他にも買ってくれる人がいると考えます。

シリアの市場の壮麗な建物

シリアの市場の壮麗な建物

 サンパウロで家を探していた時には、様々な良い物件を逃しました。その原因は、こちらの交渉する姿勢でした。最初に見つけた家は立地も建物も値段も良かったので、すぐに交渉に入りました。アラブ人の習慣で、商品が良くても交渉するのです。良い商品を見つけても、2、3軒を回って値段を比べます。その後、一番良いと思った所へ行きます。
 実は最初に見つけた家が一番良かったのですが、あちらこちらリフォームしなければならないから値下げしてほしいと、余計なことを話して交渉しました。そうしたら、「あなたには貸したくない」と言われました。あなたと関わるのは嫌だと言われました。
 交渉し過ぎました。ブラジル人は交渉する忍耐力がありません。交渉したら頭がふさがってしまいます。結局、その家は貸してもらえませんでした。アラブ人ならその様なことはなく、最後まで交渉してくれます。
 だからアラブ人は売る仕事に就くのです。お客さんに今はお金がないと言われれば、分割払いできますよと言い、それもできないと言われればさらなる選択肢を出して柔軟に変えていきます。アラブ人は自分の商品を絶対に買ってもらいます。そのための忍耐力があります。

日本人は冷たい!?

 申し訳ないですが、ブラジルでは日本(日系)人は冷たいというステレオタイプで語られています。実際「値下げしてくれますか?」と聞いた時、すぐに不機嫌そうにダメと言われました。「怒らずに落ち着いて下さい」と言いましたが。感情が見えにくく、閉鎖的なイメージです。

サンパウロの不動産会社「アル・バイト」の看板。バイトはアラビア語で家の意味

サンパウロの不動産会社「アル・バイト」の看板。バイトはアラビア語で家の意味

ほしい商品を見つけるのが難しい

 ブラジルは自分のほしい物を見つけるのも大変です。アラブではいつもほしい商品は見つかり、行列に並ぶ必要もなく、交渉して自分の好きな値段にしてもらえます。買い物はもっとシンプルです。
 サンパウロはたくさんの買い物客がいます。ブラジル人はもしその人が買わなくても別の人が買ってくれると思います。実際、今すぐに買わなければ、次はほしい商品はなくなっていることがあります。
 なぜこの様なことがあるかというと、ブラジル人はとても消費するからです。クレジットカードや分割払いを利用しています。ブラジル人は何でもローンで消費する事ばかり考えます。ブラジル人はお金を貯めませんね。アラブ人は将来のことを考えて貯蓄します。(つづく、大浦智子さん寄稿)

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