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沖縄の心をブラジルの地に=具志堅シゲ子さん「夢の華舞台」=サンパウロ市

ニッケイ新聞 2011年5月4日付け

 琉球舞踊師範具志堅シゲ子さんの芸道35周年を記念した公演「夢の華舞台」が3月27日午後2時から沖縄県人会館で開かれ、500人以上が訪れる賑わいを見せた。
 1997年に玉城流てだの会の教師免状、09年に師範免状を取得した具志堅さんは琉球舞踊協会第2代会長を務め、県人会の芸能行事、他国県系社会との交流にも尽力してきた。集大成となる今公演には琉舞の各流派をはじめ、民謡、箏曲、古武道などブラジルの沖縄芸能団体から数多く友情出演し、創作舞踊を中心に4時間にわたる舞台を繰り広げた。
 開会式で山城勇実行委員長は、具志堅さんの歩みを称えるとともに、沖縄の「組踊」がユネスコの無形文化遺産の指定を受けたことなどに触れ、「沖縄の文化が日本、世界中で認められていることは我々の大きな誇り」とあいさつ。さらに「沖縄の芸能が移民100年の間に積み重ねられ、ブラジルの大地に定着したことは大きな喜び」と述べ、さらなる発展に期待を表した。与那嶺真次県人会長も「現在沖縄の文化が子弟に広まっているのは先生方の協力のおかげ」と感謝した。
 玉城流てだの会の玉城千枝・玉城流いずみ会の又吉静枝両家元、西原篤一沖縄ブラジル協会会長からも祝辞が寄せられ、会場で代読された。
 続いてあいさつに立った具志堅さんは、上原辰江さんに最初の指導を受けてから現在までの歩みを振り返り、家元はじめ琉舞協会の先達など関係者の指導、激励に感謝を表すとともに、「このブラジルの大地で琉球伝統芸能の普及・育成のために微力ながら尽くしていきたい」と話した。
 門下生を代表して協和婦人会会長の宮城康子さんが舞台に上がり、「今日の公演は私達にとっても喜び。先生はいつもニコニコして、繰り返し教えてくれる人。これからもよろしくお願いします」と感謝の言葉を述べた。
 公演は合同演奏で開幕後、具志堅さんや門下生、他道場の生徒らによる創作舞踊が次々と披露された。この日のため沖縄から訪れた従兄弟の山城幸次郎氏が作った曲に合わせて具志堅さんが踊る演目や、民謡、空手舞踊などもあり、盛んな拍手が送られた。
 第二部の創作舞踊劇「浦島太郎」では、具志堅さんが乙姫役、県費留学OBの斉藤悟さんが浦島太郎役を演じ、各流派の師範らも出演。竜宮城を訪れる場面では鮮やかな衣装と踊りが舞台を彩り、ひときわ華やかさを添えていた。

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