ホーム | 連載 | 2011年 | 東日本大震災支援キャンペーン | 東日本大震災支援キャンペーン=がんばろう!〜ニッポン=サンパウロ市 上妻博彦

東日本大震災支援キャンペーン=がんばろう!〜ニッポン=サンパウロ市 上妻博彦

ニッケイ新聞 2011年5月5日付け

 観測史上最大の地震と津波に襲われた東北日本の刻々を映像に視た私達日系人達、只暗然と息をのみ言葉を失うのみでした。現場に遭遇された人々、家族を失い故里の全てを呑み込まれた皆様を思う時、哀しみを深くし涙を禁じ得ません。
 地球の反対側の国から、哀悼の意を捧げ、被災者へのお見舞を申し上げます。いま世界の人々が目をみはり声をひとつに日本を賞賛し、「やはり美しい国、強い国民」であることを再認識している証しの一つとして、こうした事態におかれて諸外国に見られる様な掠奪、暴行などの混乱がなく、秩序整然と扶け励まし慈しむ姿を見たからです。日本は遠からずまた復興し、もっと偉大な新しい文明を築き上げると言っています。

 ひしひしとニュースを視つつ声も出ず被災地津波ふるさと岩手
      大志田良子
 大津波に全てを失せし兄弟の再建の道春遠けれど      末定郁子
 大災害受けし日本よわが祖国哀しみの地に雪ふりしきる   小濃芳子

 こうして一句一葉の言霊にかけて、祈りを捧げる日系人たちが地球の反対側にあります。被災地では今、雪の舞ふ避難所で、やがて春と共に活動し始める前兆を映像の中に感じます。炊き出しのお握りを喜々として老齢等に配り、そのあとを笑顔で分かちほおばる子供達、配給の毛布に頬をうずめて押し戴く幼年の顔に感じ取られます。やはり日本人の遺伝子が鼓動しています。それは「清いふるさと、美しい日本」にと、勇気と善意の波は広がって行くでしょう。

 哀しみのきわみに聴くや大震災避難所に少女のうたう「ふるさと」
      小池みさ子
 荒漠の瓦礫の山に捜索の自衛隊員雪の舞うなか       武地志津
 妹にブラジルに避難うながせば「自分達より」憂う稚子らを  武井貢

 あの灰墟と化した大戦から六十五年、その間日本は敗戦国としての賠償を黙々と支拂いつつ、再建への道を歩み世界の驚嘆する経済大国となりました。そして発展途上国への援助を惜しみなくつづけPKOなどへの活動をなしています。

 放射線舞い散るなかに身を挺する防災を他に誰が為すのか  上妻博彦
 放射能検出されし野菜畑老婆がひとり黙して佇てる
 稲村に火放ち民を救いたる史実の聖しずかに思う

 民族性を失わず自然と共存しうる、美しい強い日本再建への道を一歩一歩進めて行くであろう、我が祖国を範として語り継ぎ言いつぎ、私達日系人の子子孫孫まで伝えて参ります。すでに始動された獅子奮迅の御活躍を讃えつつ筆を擱きます。



image_print

こちらの記事もどうぞ