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「ふるさと、再び」レジストロ公演=5百人が舞台に魅せられ=会場あちこちで賞賛の声

ニッケイ新聞 2011年5月31日付け

 スポットライトに照らされた宮下氏の指が魔法の様に鍵盤を走る。自身が震災復興を祈って作曲した「ふるさと、再び」のメロディーが強く弱くHANGAR116の会場に響き渡った。
 『響ファミリー&宮下和夫ブラジル慈善公演』の幕開けだった。5月20日夜、この慈善ショーはレジストロ市の文化協会主催で午後8時から3時間に亘って行われた。
 会場は約500人の観衆で熱気に包まれた。12歳の少女は、華やかで美しい花魁の姿が一番印象に残ったと言う。
 或る老婦人は、「今日のショーは感激の連続でした。演劇や踊りが好きだった亡くなった夫に見せてやりたかった」と涙をぬぐった。
 自分でもピアノを弾くと言う女性は、「宮下先生のピアノは素晴らしかった」と興奮気味だった。殆どの人が「今夜のショーは全部良かった。こんなに素晴らしいショーだとは予想もしなかった」と一致した意見だった。
 又、サンパウロから上村朝子さん、石川諭さん、栗本紀子さんが特別出演、自慢のノドを披露した。コーディネーター藤瀬圭子さんの計らいで、地元からも藤森超世さんが「ふるさと」を私が栗本さんとデュエットで滝廉太郎の名曲「荒城の月」を歌った。
 4人の役者が、素早く着替える息もつかせぬ熱演に、観衆の中には響ファミリーは10人か15人のグループだと思っていた人も居た。
 舞台から飛び降りたり、所狭しと立ち回りをしたり、踊ったり、観衆の中に入って歌ったり会場を沸かせ、3時間がアッと言う間に過ぎ去った。
 ショーが終わり、約1時間かけて着物、道具を整理し、遅い夕食を食べ、午前零時過ぎにサンパウロへ向かった。
 「心で届けて、届かぬものは無いと信じている」をモットーにしている響ファミリーの皆さんの熱演はレジストロの人々に感動を呼び、目的を果す事が出来た。
 響ファミリーと宮下先生の善意は、日本の東北大震災の被災者の皆さんにも必ず届くことだろう。(金子国栄さん通信)

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