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大相撲 魁聖の後援会が発足=元若東 黒田氏が呼びかけ=「祝賀会を盛大に開きたい」=相撲連盟と協力、化粧まわしも

ニッケイ新聞 2011年6月3日付け

 大相撲5月技量審査場所で初入幕ながら9連勝を成し遂げ、敢闘賞を獲得した魁聖(24、3世)の活躍を機に、ブラジルで後援会が発足した。会長を務めるのは、魁聖が所属する友綱部屋を紹介した元十両の若東・黒田吉信氏(35、二世)。9月場所終了後とみられるブラジルへの凱旋帰国時に「約500人を集める盛大な祝賀会を開きたい」と話す。化粧まわしの製作も予定、コロニアにも協力を呼びかける考えだ。

 後援会は、黒田氏が魁聖と相撲を取った仲間や相撲関係者に呼びかけ、先月発足した。
 現在の会員数はわずか10数人。大相撲力士の後援会は、ブラジル初だけに「まだ手探りの状態」だが、ブラジル相撲連盟(篭原功会長)と協力し、会員を募る。
 主な活動としては、魁聖が帰伯した際の祝賀会開催と化粧まわしの製作を予定。「市長や知事にも挨拶に行く。500人以上を集め、盛大に開きたい」と意気込む。
 まわしの製作費200万円は、相撲連盟がブラジルの魁聖ファンから広く呼びかけるという。
 「製作には1カ月かかる。早く動かないといけないが、模様は本人の意向も聞きたい。彼の年にあわせ虎を入れてもいい。相撲中継でまわしを着けた姿を見るのが楽しみ」と笑顔を見せる。
 黒田氏が魁聖と出会ったのは05年、魁聖が18歳の時。当時から身体が大きく、全伯相撲選手権大会・無差別級で優勝するなど強さも突出していたという。
 「出会った時から『日本へ行きたい』と言っていたよ」と振り返る。
 その後、友綱親方から「ブラジルにいい力士はいないか」と連絡があったさい、魁聖が真っ先に浮かんだという。
 しかし、日本の稽古はブラジルの比にならないほど厳しい。「中途半端な気持ちの力士をブラジルから送れない」。思いを確かめるため、週1回だった練習を2回に増やし、ぶつかり稽古を何度も行った。
 数カ月のきつい練習にも耐えた魁聖を認め、日本に送ることを決めた。
 「今年1月に日本で会ったが、関取としての風格十分。彼の右四つの型は、稽古で磨けば強い武器になる。もっと成長してほしい」
 自分もかつて踏んだ土俵での踏ん張りをそう期待し、ブラジルでの支援態勢を整える強い意志を漂わせた。
 後援会に関する問い合わせは「ぶえの」(11・3203・2215)まで。

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