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春の叙勲=各州から5人が受章=池崎博文、渡部和夫氏ら=本紙に喜びの声寄せる

ニッケイ新聞 2011年6月21日付け

 在ブラジル各総領事館は18日、2011年(平成23年)春の叙勲者を発表した。今回はサンパウロ、ベレン、リオ、クリチーバの4管内から5人が選ばれた。邦人叙勲では池崎博文(旭日単光章)、中山征治(旭日双光章)、石谷喜義(旭日双光章)、外国人叙勲では高尾勇(旭日双光章)、渡部和夫(旭日中綬章)の各氏。その功績と喜びの声を紹介する。

 池崎商会の社長、池崎博文さん(84、熊本)は、「立派な叙勲を頂けて嬉しく思っています。これも皆様のおかげと心から感謝しています」と気持ちを述べた。
 リベルダーデ文化福祉協会会長(ACAL)として、日本文化の紹介に努め、日伯両国の文化交流を促進してきた。ブラジル日本文化福祉協会評議会(文協)の副会長としても日系団体の発展に寄与した。
 ピアウイ州の日本人入植の草分け的存在である中山征治さん(71、熊本)は、国費留学生および国際協力機構(JICA)研修生事業を勧め、多くの留学生・研修生を日本に送り出してきた。また在ベレン総領事館と協力し、日本文化週間も実施している。
 「多くの先輩の尊いご指導と、共に汗を流し支えてくれた仕事仲間達のおかげ。今後も初心を忘れず、私に出来る範囲内で仕事をしていきたい」と更なる志を述べた。
 日ポ両語に堪能な弁護士、石谷喜義さん(73、香川)は、各種助言、支援を通じてパラナ州進出日本企業の事業拡大、また同州日伯商工会議所の法律顧問として会員企業の発展に寄与した。パラナ日伯元留学生協会初代会長として対日理解にも努める。
 「日系人はまじめで力があると、現地の皆さんに認められている。その名前を傷つけないようにがんばってもらいたい」と若い日系人にエールを送った。
 リオ日系社会の発展に力を注いできた高尾勇さん(72、二世)は、「私を推薦してくださったリオ、日系社会の皆様方にお礼を申し上げると共に、心より感謝の意をいたします」と今の気持ちを語った。
 複数の日系団体において重職を務めてきた。現在も同州日伯文化協会第1副会長として、日伯友好親善に協会の発展、日伯の友好親善に努める。弁護士として日系社会の地位向上にも貢献した。
 伯日比較法学会会長の渡部和夫さん(75、二世)は、外務省研修生ブラジル協会会長などを歴任した。日系初の州高等裁判事。日本の簡易裁判制度のブラジルへの導入に貢献するなど法律分野で日伯間の関係強化や対日理解促進に寄与した。
 「このような栄誉ある勲章を頂き、大変光栄に思います」と喜びを見せ、「これも私の勉学を支えて続けてくれた家族や日系社会でお世話になった皆さんのおかげ。これからも日伯関係のために貢献していきたい」と語った。

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