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二世紀目に向けて=サンパウロ日伯援護協会 会長 菊地 義治

祝103周年 移民の日特集

ニッケイ新聞 2011年6月30日付け

 ブラジル日本移民103周年を迎えるに当たり、謹んでご挨拶申し上げます。
 私は今年4月、サンパウロ日伯援護協会・理事会の会長に就任致しましたが、実は90年代の半ばから当協会「援協」の社会活動に協力させて頂いております。
 移民の先達の方々がブラジルの農業の発展、技術の改善に多大な貢献をされたことは周知され、高く評価されていますが、一方で子弟への教育にもを注ぎ、幾多の人材を育て、ブラジルの発展に寄与して来ていることも周知の事実です。
 さらに加えて、私は援協の活動を通じて、先達の方々が社会福祉にも深い理解を示し、熱心に取り組んで来られた事を学びました。
 援協はじめ、日系社会にある福祉団体は先達の方々により創立され、相互扶助の精神、環を広めました。ブラジル社会の幸福と発展のために努力して参りました。日系人、日系社会に対する高い評価はこのような社会福祉的な面も多分に含まれていると私は思います。
 先達の方々が築いた土台の上で日系社会は発展し、一世紀を迎え、今、二世紀目に向けて歩んでいます。
 移民の日を迎え、今日の日系社会について思うにつけ、私達が後世に対して何が出来るのか、何を残せるのか、日系社会の一人一人が真剣に考えるべき重要なテーマであると考えています。
 私としては後世の人達が誇りに思い、日系であるという自覚を揺さぶるような〝何か〟を残せたらと思い、一生懸命に取り組んでおります。
 最後に、先駆移住者の方々のご遺徳を偲びつつ、謹んでご冥福をお祈りして、ご挨拶とさせて頂きます。

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