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長崎県人会=ちゃんぽんに長蛇の列=純益5千レを義捐金に

ニッケイ新聞 2011年7月2日付け

 長崎県人会(川添博会長)は長崎ちゃんぽん祭りを18日昼、サンパウロ市の東洋会館で開催し、予想を越える来場者が訪れ、2時ごろには用意した約400食が売り切れとなるほどの盛況を博した。
 本場・長崎チャンポンの老舗みろく屋の山下潤次郎さん(現副社長)が1990年ごろに伝えた秘伝の味が、今回も再現された。県人会関係者も「金儲けでやるならこんな手間と材料費のかかるものを出さない。コロニアに本当の味を知ってもらおうと思えばこそ」と力を入れる。
 川添会長は「昼からなのに10時半ぐらいから行列を作るお客さんがいました。チャンポンは手間がかかるんですよ。一度にたくさん作れない。ですから最初の行列がさばけるまでに時間がかかってしまい、その間、お客さんをお待たせし、すみませんでした」と嬉しい誤算を謝る。
 家族4人で訪れた本田昌義さん(まさよし、71、宮城)は「お味抜群です。30分ぐらい待ちましたが、来た甲斐がありました」と美味しそうに麺をすすった。戦前移民の匿名女性(88歳、山口)は「期待通りに美味しかった」としつつも、「だいぶ待ちましたが」と釘を刺すのも忘れない。
 当日は婦人部や青年部など40人が総出で手伝ったが、それでも「お客さんを待たせてしまったり色々十分でなかった点があったと思うが、次回にはそういうことがないよう、しっかりと反省したい」という。
 川添会長は「会計問題が起きて昨年は会費が払えず、残念なことに文協や援協を辞めていた。でも今年から戻った。日系社会の一員として、最低限のことですから。会計問題も裁判に入り、会館を賃貸して運転資金が回るようになり、活動がようやく滞りなく出来るようになってきた」と苦しかった昨年来を振り返った。
 今回の売上げの純益約5千レアルに加え、県人会で集めた寄付1300レアルを県連に寄託する形で義捐金として送金する。3月にはすでに義捐金4千レアルを集めて県連に渡しており、合計すると1万440レアルになる。
 「これで新生・長崎県人会の勢いがつきます」と川添会長は、会場を見渡しながら頷き、さらに「来年9月の50周年に向けて、さらに気運を盛り上げてきたい」と意気込んだ。

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