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東西南北

ニッケイ新聞 2011年7月6日付け

 5日付フォーリャ紙に、例年のサンパウロ市なら6月の最低気温は平均11・2度だが、今年の6月の最低気温は平均9・7度だったとの記事。サンパウロ市の最高気温が最高気温としては今年最低の15・6度となった4日、サンタカタリーナ州ウルビシではマイナス6・2度を記録。体感温度はマイナス27度だったというから空が澄み、しんしんと冷えたということか。4日夜のテレビでは、ボリビアのラパスなどでは、寒さのために35人が死亡とのニュースまで。サンパウロ市の寒さは6、7日に少し緩むが、8日の最低気温は3度との予想も…。
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 3日未明にサンパウロ市パライゾ地区の路上生活者4人を襲ったネオナチ青年達は、斧やナイフ、殴る時に手にはめる金具を仕込んだベルトなどを携行し、スキンヘッドと書かれたシャツなどを着用。「黒人、北東ブラジル人、女郎の子、死に損ない」などと罵詈雑言を浴びせながら、殴ったり蹴ったり。「最初から俺達を殺す気だった」といい、警官が来てくれなかったら死んでいたかもしれないという被害者達だが、寒くても危険であっても収容施設に行く気はないという。被害者の4人の内2人は白人で2人は混血。白人の1人はミナス出身で、飲料水の配達などをして日銭を稼いでいる。身重の妻を庇って殴られた路上生活者と、多勢に無勢で襲い掛かる中流階級青年では、人間としての尊厳はどちらが上?

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