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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2011年7月15日付け

 今日15日、「第14回フェステバル・ド・ジャポン」(日本祭り)が開幕する。年々ステージや展示などが充実してきているのは喜ばしい。しかし、元々の始まりだった郷土食がウリなのは今も変わらない。約10年前、州議会駐車場で34県人会だったが、今年過去最多の45県人会が出店する。今より会場が狭かった当時、入場者数27万人と発表しているのが微笑ましい(昨年17万人)▼ひと時は猫も杓子もーといった様相を呈していたヤキソバを販売する県人会も5県に留まり、B級グルメや「これは…売れるのだろうか」と勝手に当方が心配するものまである。毎年の定番であることを考えれば、そこそこ人気があるのだろう。一世が少数であることを考えれば、日本食に対するブラジル人の舌の多様化が進んでいると見てもいい▼ところで気になるのが、日伯両国間での食の緊張だ。手続きが合意され、輸入は再開されているものの、規制がかかっていることには変わりない。政府の対応と国民の意識は別だろう。とはいえ震災後、訪日者数が激減するなど風評に対する敏感さは国民性を問わない。以前までの「本場」「直輸入」の喧伝の声が「ブラジル産使用」に変わりはしないだろうが、売り上げに影響が出ないことを祈りたい▼県連はこのたび、初めてサブテーマを設けた。「蘇れ!美しき日本」と銘打ち、パネル110枚を展示する。被害の実態、復興へと踏み出した被災地の今を伝えるだけでなく、各県のポスターなどで津々浦々の風光明媚もアピールする。食を楽しむだけでなく、多くの人に足を運んでほしいところだ。(剛)

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