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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2013年9月11日

 9・11NYテロ、リーマンショックなどを思い出す〃魔の9月〃になった。米国と欧州勢がシリア政府に爆撃すると脅しをかければ、アサジ大統領は「攻撃を受けたら中東の火薬庫に火が点くぞ」と恐ろしい言葉を投げ返す。当地ニュース解説者は「イラク戦争から時間が経って、米国軍事産業の在庫がたまってきたようだ」と皮肉る▼興味深いのは米国ワシントンのホワイトハウス前では「攻撃してアサジを倒せ!」とデモをする在米シリア人が多く、ブラジル最大のシリア人集団地であるパラナ州イグアス市では「攻撃反対!」という論調が多いとか。米国へ行く者とブラジルへ来る者は、すでにその時点で何かが違っているようだ▼傍から見ていて実に不可思議なのは、広島や長崎の原爆、ベトナム戦争、イラク戦争などで無数の一般市民を殺してきたと言われる米国が「シリア政府は民間人に対し非人道的な化学兵器を使った」ことを攻撃開始の理由にする点だ▼加えて、この2週間で伯米関係が急速に悪化した。先々週日曜にグローボのニュースで、ジウマ大統領が米国諜報活動の標的にされたと暴露され、法務大臣が「国家の主権侵害だ」と異例の声明を出した。先週にはブラジル最大の企業ペトロブラスも標的にされたと報道され、米国の〃錦の御旗〃「テロ防止のための諜報」が単なるでまかせで、産業スパイを国家がやっているかのようだ▼この件で最大の問題は、アップルにしろマイクロソフトにしろ米国情報産業は諜報活動に利用されていると暴露された点だ。一国の大統領の通信が筒抜けなら、市民に秘密などありえない。信用なきネットで〃公正〃な企業競争はありえるのか。(深)

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