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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2011年7月20日付け

 県連日本祭りの裏方で働いた県人会のみなさんに、まずは「お疲れさま!」と言いたい。今回は3日間とも晴天に恵まれた。翌月曜に小雨が降った時、松尾治県連元会長に「園田会長はついてる」と言ったら、「サンペドロ(天気に関する聖人)に幾ら袖の下を渡したか尋ねなきゃ!」と粋な言葉が返ってきた▼かつてヤキソバと天ぷらが席巻していた郷土食ブースだが、4年前から鳥取が牛丼をはじめて今年は4県に、カレーもあちこちで見られるようになった。寿司刺身以外の日本料理がこれほど一堂に会する機会は他にない▼客席を見ていて、一世の割合が年々減っているようで寂しい。野外であの長蛇の列に並び、座れるところを探して食べるというのは、たしかに高齢者には億劫だ▼その分、三、四世の若者、非日系人が増えている。つまり、伝統的な日本食メニューよりも、若者受けするカレーや牛丼、手巻きのような今風の和食の人気が高まっている。この傾向はさらに強まるだろう▼この機会を県人会活性化のために活かせた団体は、次の世代が育っているに違いない。30人もの若者が忙しく動き回っているような県人会には頼もしさを感じる。高齢一世のみがわずか10人程度でやっているところや、県人会が関係者に店の運営を任せているところは、どうなのだろうと心配になる▼漫画やアニメ中心で日本政府筋が力を入れている祭りは独や仏にもあるが、地元主催で伝統的な日本文化をテーマにしたものとしては当地が世界一だろう。もっとその存在が日本の人に知られるように、第15回となる来年はぜひ日本のマスコミにも大きく取り上げて欲しい。(深)

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