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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2011年8月17日付け

 16日付け2面にあるように、アンデス山脈を横断してペルー首都に抜ける本格的な陸路を通って、サンパウロ市のチエテ・ターミナルから4日がかりで行く定期バスが昨年11月から通っている。以前からルートはあったが、直通バスで5千メートル級の山道を進む本格道路とは旅情をそそる▼かつて「歴史上最大の馬鹿者3人は、イエス・キリストとドン・キホーテと私だ」と言い切ったのは、南米大陸のアンデス5カ国をスペインから独立に導いた革命家シモン・ボリーバル(1783—1830年)だ。ボリーバルは1819年、現在のベネズエラ、コロンビア、パナマ、エクアドル5カ国を合わせた地域をコロンビア共和国として宣言した。彼の夢はラテンアメリカ統合だった。そのために必要だと考えたのがこのアンデス横断道路だと言われる▼ブラジルの為政者にとってもアジアへの輸出を目指して太平洋に通じる本格ルートを作ることは悲願だった。しかし、その手の計画が持ち上がるたびに頓挫してきた歴史がある▼例えばシッコ・メンデスが暗殺された時も、アマゾンの環境問題が国際社会の関心を集めるようになり、国際世論に潰される形でその種の計画は見送られたと聞く▼これが本当かどうか分からないが、米国に本拠を置く環境保護団体は当国為政者にとっては実に腹立たしい存在であり、絶妙なタイミングで〝事件〟がおきる不思議さがある。今回も米国人の修道女が殺される事件が起きたが、ルーラ大統領は任期最後でアンデス越えの本格的な道路を完成させた。このルートの本格活用により、日本向けの輸出もさらに盛んになってほしいものだ。(深)

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