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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2011年9月23日付け

 8月末に中銀が基本金利(Selic)を下げた時、潮目だと感じだ。昨年末からのインフレ傾向に歯止めがかからず、消費者物価指数は5月時点で前年同月比6%以上という数字まで出ていた。しばらくはインフレ退治のために金利上昇を続ける流れにあると思っていたので、「突然」の印象が強かった▼でもその後、実際に世界経済の潮目が変わった。為政者レベルではそれを予見できる情報が蓄積していたに違いない。欧米の経済情勢の悪化を象徴する現象が、ここ数日のドル高騰だ。米国がドルの量的緩和を続けて世界にばら撒いたから、ドル安傾向は必至のはずだった。その裏返しで、高金利のレアルは実力以上に上がり続けた。国際情勢の悪化によるブラジル経済減速を抑えるためには、インフレ抑止で高金利を維持するより、金利を下げて成長のアクセルを強く踏む必要があると判断したようだ▼現在の預金金利はポウパンサで7%前後、CDBでも8%前後だろう。「世界最高水準の基本金利12%」との言葉に目が眩まされがちだが、インフレで目減りした分を差し引いた後の実際の預金金利は1〜2%前後程度ではないか▼日本のレアル建て外貨預金が数兆円規模に膨らんでいると聞くが、外貨預金は為替手数料が高く4〜6%も持っていかれるので、さほど旨味はないはず。今のような潮の変わり目において為替リスクの高さが気になる。経済成長のアクセルを踏みまくったルーラ政権のおかげで過熱気味のブラジル経済に対し、世界経済の変調で暴落したランド預金(南アフリカ)と同様のことが起きても不思議はないと指摘する専門家もいる。ここ10年来「9月」は要注意だ。(深)

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