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ピラール・ド・スール=和やかに敬老会開催=50人が元気な姿みせ=熱気溢れる余興3時間

ニッケイ新聞 2011年9月29日付け

 ピラール・ド・スール文化体育協会(会員153家族、安達弘会長)主催の第33回敬老会が9月10日、地元文協会館で開催され、最高齢の高野捨野さん(103)を始めとする75歳以上の高齢者66人が表彰され、約50人が会場に元気な姿を見せた。

 開拓先亡者への黙祷の後、安達会長は「敬老会の主催側でありながら表彰される側でもあり、複雑な心境。この敬老会に招かれる頃から本当の人生が始まると実感している。熱中できるものをもつことが、元気に過ごすために大切」とのべた。
 マルコス・サントス市議会議長は、「三、四世代が揃って高齢者を祝うこの行事は素晴らしい」と挨拶し、生徒代表で挨拶した日本語学校の岩井けいじ君(15)は「日本語の勉強を手伝ってくれ、色々なことを教えてくれた」と謝意を示した。
 表彰者の名前が1人ずつ呼ばれ、餅やプロポリス、記念品、婦人会が作った弁当、日本語学校生徒の手作りのプレゼントが贈られた。
 その後、この日出席した男女最高齢者の雪丸初二さん(92)、豊田スギさん(97)がケーキカット。安藤偵重老壮会会長が会の開催に謝辞を述べ、記念撮影の後、昼食が振る舞われた。
 午前11時から余興が始まり、カラオケ、婦人会、日本語学校の母の会、教員らが踊りなどを披露。日本語学校は、この日までの2週間、授業を敬老会の出し物の練習にあてた。12の出し物が用意され、70人の児童が「春の小川」や「茶摘み」など四季の歌を合唱。なじみのある懐かしい歌に、参加者が一緒に口ずさむ姿がみられた。
 幼稚園児は遊戯を2曲発表。音楽に合わせて手を動かす4〜6歳の幼児の可愛らしい姿に、会場にいる皆の表情が緩んだ。1年生や午前のクラスの生徒は日本語の曲に合わせた踊りを披露。4、5年生は鉄琴、鍵盤ハーモニカ、ピアノ、和太鼓、沖縄三線で「島唄」を演奏した。
 2、3年生の劇「かぐや姫」は、かぐや姫が求婚者に宝を求めるところを、日本語学校のクラスの決まりを守るように変えるという日本語学校ならではのアイデアで、かぐや姫役のナタリア・コヘアさん(11)を始め8〜14歳の生徒が日本語で上手に演じ上げた。
 6年生、上級生は「水戸黄門」を題材とした劇風コントに挑戦。20分に及ぶ劇を、助さん格さんのお馴染みの名台詞を始め、日本語の台詞を覚えて見事に演じ、日頃の成果を見せた。最後は安達会長や父兄会長も登場、大いに沸かせた。
 また活動8年目のソーラン部が南中ソーラン、よさこいソーランが披露した。卒業生を含む現在約30人の日本語学校の生徒が参加しており、近年は近隣都市のイベントにも呼ばれるという。
 3時間に及んだ余興は終始活気にあふれ、参加者は孫・曾孫らの発表を温かい目で見守り、楽しい時間を過ごした。
 婦人会、母の会、日本語学校の子供らがともに祝った敬老会。高齢者は贈り物、喜び、元気を得て、会場を後にした。

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