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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2011年10月26日付け

 既報の通り、7月現在で在日ブラジル人は22万1217人。最盛期である08年末の31万2582人に比較すれば、わずか3年弱の間に実に9万1365人が帰伯した。ところがこれは、日本に行ったブラジル人を差し引きした数字であり、実際の帰伯者はこれよりもかなり多い▼仮に、差し引き以前に15万人が帰伯したとすれば、これは移民史上、空前絶後の〃大移動〃だ。戦後移民は52年からの約10年間で5万人が移動した。過去最も集中的な移動は、1926年から35年の10年間に約13万人が渡伯という〃団塊世代〃で、全移民25万人の半数以上がこの間に渡った。それすらもこの3年間は軽々と凌駕する▼問題はこの度の〃帰伯デカセギ団塊世代〃ともいえる約9万人が、当地で一体ナニをしているか、だ。人数が多い割にはコムニダーデに影響を与えたという話を聞かない。おそらく、まだしっかりと当地に根を下ろしていないように思える。永住帰伯を決断したのなら、デカセギ資金を使って各地で新商売を始めるなどの評判が流れるはず。今は待機期間と割り切り、日本の景気が回復したら多くが訪日する気配を感じる▼来年3月に、日本政府の例の帰国支援策によって帰伯した人たちが日本へ戻れない期限である3年間が経過する。来年4月以降、日本に戻るデカセギが多いのではないかという問い合わせを、関係者から受けた。日本側では大分心配しているようだ▼東日本大震災の復興需要もあって、今年7月以降、当地の派遣会社の間では「だいぶ求人が出てきた」との話を聞くようになった。来年4月以降の大量訪日は十分にありうる。(深)

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