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弓場バレエ団=年末公演にのべ8百人来場=昨年迎えた創立50周年

ニッケイ新聞 2012年1月6日付け

 弓場農場(弓場常雄代表)は、バレエ団創立、劇場創設50周年を迎えた昨年12月、音楽・バレエ・劇の3部公演『弓場農場クリスマスの集い』を25日に同農場で開催した。
 近郊や州内のみならず、州外、日本や北米からも観客が訪れ、2日間で800人が来場した。
 弓場代表は緞帳で「皆様の後援のお陰で50年続けてこられた。4時間と長丁場ですが、ゆったりと楽しんで欲しい」と挨拶した。
 ピアノ独奏で音楽の部は開始。フルート演奏に続いて弓場勝重さんによる「枯葉」の独唱。虫のさえずりが遠くに聞こえる中、悲しげな旋律が劇場に響いた。
 男女20人が舞台に立ち「箱根八里」「もろびとこぞりて」などを合唱。「ハレルヤ」ではリオ・プレット弦楽団の演奏をバックに荘厳な歌声を響かせた。
 バレエの部は「それぞれのアリア」で幕開け。カノンが流れる中、赤紫色で統一された衣装を着た14人の女性が独立した動きで踊った。
 新作のバレエ『ニワトリの冒険』では、女の子達が腰に鳥の羽を模したフリルをつけたコミカルな動きに客席からは大きな笑いも起きた。
 終盤は、農場に滞在中の旅行者達も舞台に立ち、大人数で賑やかに終幕した。
 ニワトリ役の一人、竹原リエさん(11、四世)の晴れ姿を見に訪れた祖母の三宅初江さん(2世、70)=ガブリエル・モンテーロ在住=は「間違えないか、毎年ドキドキ」と嬉しそうに孫の姿を追っていた。
 弓場バレエ団代表、小原明子さんの独白で始まる『喜びの歌』。78年の日本公演のために作られた同作は、小原さんが農場へと着いた時の様子を話し、自分たち自身の生活を演じた。
 「俺たちは土を見つめよう」との台詞には実感がこもり、観客は真剣に演者を見つめた。最後は、仕事や学校で農場を離れた青年達も舞台に上がり大団円となった。
 第3部の芝居「貧乏神と福の神」では、原作を矢崎正勝さんが脚色。歌や踊りが入り、楽しいミュージカル調に。舞台横のスクリーンにはポ語の字幕が映され、非日系からもドッと笑いが起きた。大きな拍手のなか集いは幕を閉じた。
 創立者の小原さんは「一時期、公演が多くなり『農業をやめてバレエで生活したら』と言われることも多くあったが、舞台でにじみ出る生活の匂いが特徴とスタイルを崩さなかった。守ったのは『下手だからやめなさい』と言わなかったこと。今では教えたり、振り付けをする人が出てきた」と穏やかな笑顔を見せた。

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