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大学生の日本語学習者が研鑽=交流基金のサンパウロ研修=インタビューや発表で実践

ニッケイ新聞 2012年1月20日付け

 全国の大学で日本語を学ぶ学生を聖市に招いて研修を行う『全国大学生サンパウロ研修』が、グループ別に9〜13日、16〜20日にかけて国際交流基金サンパウロ日本文化センターで開催されている。サンパウロ、パラナ、南大河、セアラ州、ブラジリア連邦区などから17人の大学生が集まった。同基金の事業で2004年から実施されている。

 レベル別に2つのグループに分かれ、それぞれ5日間にわたって日本語や学習方法に関する講義、討論などを通じ、日本の習慣や文化、社会問題について知識を深める。
 中級のAグループの学生6人は、研修を通してそれぞれ疑問を感じたり興味を持ったテーマについて、聖市在住の日本人にインタビューを行った。
 最終日の13日午後、その結果を日本語で発表する会が開かれ、学生らは緊張した様子ながらも、流暢な日本語で堂々とスピーチを披露した。終了後の質疑応答では笑い声も響き渡り、終始和やかな雰囲気で進行した。
 神学を学んだ経験があるアントニオ・ジュニオールさん(38)は教会での結婚式について「ブラジルでは神との約束、儀式として位置付けられているが、日本人は信者でもないのに教会で結婚式を挙げたがる」と疑問を呈し、インタビューの結果から「ウェディングドレスを着たいため。深い意味はなく、記念にしたいようだ」などと発表した。
 ブラジリアから参加したラファエラ・ジチラナさん(22)は日伯の贈り物の違いについて「義理を大切にする日本では誕生日のプレゼントよりお歳暮のほうが豪勢。家族や友達、職場の仲間の間でやるアミーゴ・セクレットも義理でやる部分がある。お歳暮に似ていると思った」との考えを発表した。
 カンピーナス大学のダニエル・富男・コエーリョさん(21、三世)は温泉について「ブラジルの温泉には水着で入るが、日本人は裸で恥ずかしくないのでしょうか」と切り出した。
 「日本で温泉に入ったときは恥ずかしく、タオルを巻いたまま入った。外国人だからじろじろ見られて余計恥ずかしかった」と経験を語り、「恥ずかしくないと答えた人が大半だった。子供の頃からそういう習慣だから恥ずかしくないのだと知った」と得心した様子で話した。
 サンベルナルド・ド・カンポ出身でサンカエターノの「心響太鼓」で活動するダニエルさんは、「アルモニア学園で日本語を勉強していたときは苦だったが、2度の滞日経験で日本がとても好きになった。もっと勉強していずれは数年日本に住みたい」と語った。
 コーディネートを行った専任講師の遠藤クリスチーナ麻樹さんは「スピーチの練習には半日しかなかったのに皆良くできていた」と学生らの健闘を誉め、「生徒たちの発見が新鮮だった。日本語を普段使うことがない学生のアウトプットの場にもなっている」と成果を喜んだ。
 終了後には一人ひとり修了証が手渡され、ささやかな慰労会が開かれた。

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