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SCラモス移住地=50周年に向け工事始動=14年までに茶室、和風屋根など=「豊水」3月末まで出荷

ニッケイ新聞 2012年3月7日付け

 サンタカタリーナ州のラモス移住地(尾中弘孝会長)では2014年の創立50周年に向けて地域の観光地化を進めるための総合開発プロジェクトが進行している。すでに第1期工事分の茶室の設計図をブルメナウ在住の建築学部学生ジーン・カルロスさんがボランティアで作成、州政府から約80万レアルの予算も承認されたことを受け、さらに気合が入った状態だという。

 50周年として考えられているのは第1期分の工事だ。茶室のほかに以下の計画もある。(1)ゲートボールコートに和風屋根を掛けて公演会場にする、(2)スポーツコートに和風屋根を掛けて食事会場にする、(3)旧道にあった橋を欄干付き朱塗りに改修する、(4)剣道場の大改造、(5)会館内およびシャワー・トイレ棟の改築などが予定されている。
 総合開発計画全体としては、武道館の建物を「お城」化する構想まで入っているが、まだ予算の目処はついていない。第2期工事分には宿泊施設(山小屋、団体宿泊所、お風呂、売店、遊歩道など)が入っている。
 また麗澤大学名誉教授で、先ごろコロニア関連著作の3冊目を刊行したばかりの丸山康則さんが7月頃から1カ月半ほど、夫人と共に同移住地を訪れ、50周年の歴史編纂の手伝う予定になっている。夫人が工芸品に詳しく、その手ほどきもするという。その後、丸山夫妻は40周年を迎えるサンジョアキンにも手伝いに行く。
 ラモス文協では毎年、特徴のある農産物リッファを行い、大切な節目を迎える同会にとって貴重な財源となっている。賞品は全て同地の特産品で和梨「豊水」、ニンニク、蜂蜜、盆栽などの詰め合わせなどが当たる豪華なもの。サンパウロ市、パラナ州、南大河州、サンタカタリーナ州に「景品は宅配します」とのこと。リッファ券は同文協でしか販売されていない。抽選は17日に同会館で行われる夕食会でされる。
 なお、同地特産の和梨「豊水」の収穫が2月初旬から始まって同20日頃には終わり、3月いっぱいまで出荷が続くという。生産者によれば、今年の作柄は「昨年よりも雨が少なくて小ぶりだが、味はむしろ上出来」だという。「R」と緑色のヒョウタン印のついた箱に入っており、さっぱりした甘みが口に広がる名前の通り梨だ。セアザを通して、各地のスーパーやフェイラで販売されている。

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