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米国ハワイ=ワイメアに日本桜植樹=日米桜寄贈100周年記念に

ニッケイ新聞 2012年3月9日付け

 【ハワイパシフィックプレス15日】首都ワシントンのポトマック河畔に日本桜が植樹されてから今年は100周年。これを記念して、日米両政府では、ポトマック河畔のような日本桜の名所を全米に拡大する大プロジェクトを企画している。そのプロジェクトのトップを切って2月4日朝、ハワイ郡ワイメアのチャーチ公園で、新しい日本桜の植樹式が開かれた。

 同公園は台湾桜の名所で、毎年この時期には〃桜祭り〃が開催されているが、今回植えられたのは、日本桜の南限、高知県一帯に分布する「センダイヤ」という桜。高知県から種を輸入して、ハワイの苗床で成育させた苗木。台湾桜と違い、成長すると枝が横に広がるので、いずれの日にはその下で〃花見酒〃を酌み交わす事が出来るだろうと、期待されている。
 植樹式は、近藤みどりワイメア西本願寺住職による仏式の祈祷に始まり、ケノイ・ハワイ郡長、ホフマン同郡議会議員に続いて加茂佳彦在ホノルル総領事が挨拶に立ち、ハワイ州やハワイ島が日米や日布(編註=「布哇(ハワイ)を略して「布」)親善にどれだけ大切な役割を果たしてきたか、そして、今回のハワイ島ワイメアに新たなる親善のシンボルである桜を植樹できることの喜びを述べた。
 また、今回の新しい桜苗木の選定に当たった高知県立牧野植物園館長の小山鐵夫博士は、今回は、これまでワイメアに植樹された台湾桜と違い日本産、それも、もっとも温暖なところで咲く高知県の桜の種で作った苗木であることや植物学的な話、植樹の目的などについて語った。
 式典の後、この日の目玉である桜の植樹に移った。加茂総領事夫妻、ケノイ郡長夫妻、小山博士夫妻、谷口名誉総領事夫妻、クリフォード辻州会議員がそれぞれ約90センチに伸びた「センダイヤ」を1本ずつ植樹した。今後、この桜は、ワイメアライオンズクラブによって管理される、という。
 この日、ワイメア一帯では盆踊り、茶道、和太鼓、餅つき、日本の歌のカラオケなど日本文化のデモストレーションが華やかに開かれた他フラショー、絵画展、パーカー牧場センター会場では各種の展示が開かれた。(本田正文)

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