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日系一家5人を殺害=デカセギ金目当てか=血まみれの乳児は救出

2005年9月13日(火)

 十一日午前、サンパウロ市東部ヴィラ・ノヴァ・クルサー区ガツラモス街、年金生活者ヨネクラ・サダシさん宅で一家七人が頭などを銃撃された血まみれ姿で発見され、うち五人が死亡した。ヨネクラさんは戦後移住者。犯人は二人組の男で、前日にヨネクラさんの子供二人が出稼ぎ先の日本から一時帰国していたことから、現金目当ての犯行だったと見られる。十日午後八時ごろ同宅に侵入した犯人は、約十二時間にわたって一家に暴行を加え続けた後、五千ドル(約一万千五百レアル)を奪い、家屋に火をつけて逃走した。
 「デカセギの家族が拷問を受け死亡」「強盗目的で拷問し五人を殺す」――。
 ヨネクラさん一家惨殺事件を大きく報じたサンパウロの有力各紙によると、隣家に住む女性がヨネクラさん宅から煙が上がっているのを見て通報、駆けつけた軍警、消防員が発見した。
 サダシさん、フタバさん夫妻の他、居合わせた子供のファッチマ・サユリさん(31)、ニウトン・タカシさん(26)が病院に運ばれ、死亡。同じく子供のウィリアム・ジュンさん(29)は一命を取り留めたが、妻のエリカ・アケミ・ミヤモトさん(37)は頭を撃たれており、庭先の車中で死亡していた。
 また、エリカさんの膝の上に抱かれ、血まみれで救出された十一カ月の男児は、無傷だった模様。
 サンパウロ総領事館ではヨネクラさんを戦後移住者と特定。在留届は確認できているとしながらも、日本の親族やウィリアムさんの了承を取り付けた後でなければ、詳しい素性は公表できないとしている。
 現場は二階建ての家で、ヨネクラさん夫妻は二階の部屋で体をしばられた姿で発見された。軍警が駆けつけたときはまだ息があったものの、身体は焼き焦げ、傷口が確認できないほどだったという。
 犯人は現金五千ドルを奪い、家中の金品を物色した上で、一家に対し長時間暴行を加え続け、階段通路を家具でふさいで放火し、十一日午前九時ごろ、バイクで逃走したという。
 当局は犯人二人の似顔絵を公開。ウィリアムさん、ニウトンさん兄弟が事件のあった十日朝に帰国している点を重視し、空港から足取りをマークされていたか、あるいはヨネクラさん一家に日本で働いている人がいるという身内の事情を知る者が事件の背後で関わっている可能性があるとみて、捜査を進めている。

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