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放送大学=展開見据え、市場調査=「将来日系人も生徒に」

ニッケイ新聞 2012年3月21日付け

 放送大学(本部・千葉、83年創立)が行なう通信講座事業の海外展開を図るため、岩永雅也(58、佐賀)、濱田嘉昭(67、神奈川)両教授、神研二郎・国際連携係係長(43、青森)が16日に来伯した。21日まで滞伯し、市場調査や講演会を行なう。
 同大は、日本の生涯学習を担う一機関として教養学部、大学院文化科学研究科を設け、テレビやラジオを通して授業を実施する。昨年までに約7万人の卒業生を送り出した。文部科学省・総務省の所管。
 岩永教授は「世界の公開大学はどんどん海外に展開している。日本の通信教育の旗頭として始めたい」と語る。
 米国に住む日本人延べ50人を対象に3年間のモニター調査を実施したが、広報に失敗し十分な参加者が集まらなかったという。日系人もターゲットに見込めることから、需要は高いと判断、来伯調査となった。
 教科書も授業も日本語。授業はネット配信し、試験やレポートも実施する。モニター調査開始見込みは10月から。
 元同大学生で通訳として同行した高木ファビオさん(37、三世)は、日本で受講していたが帰伯後休学しており「ブラジルでも始まれば学習を再開したい」と期待を寄せていた。
 講演会は20日午後、サンパウロ大学日本文化研究所マルチ・メディア教室で行なわれ「放送大学の役割と仕組み」をテーマに濱田教授が講演を行ない、DVD「世界の中の日本」を教材に岩永教授が授業を紹介した。

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