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ベレン総領事館=マンジョッカ粉工場に草の根=実現に向け、地元が一丸に

ニッケイ新聞 2012年3月29日付け

 【パラー州ベレン発】在ベレン日本国総領事館(沼田行雄総領事)とサンジョゼ・グアジャラウーナ総合住民組合(パラー州バルカレーナ市、エリゼッチ・フランコ・デ・ソウザ代表)は、15日午前9時半から同組合本部において、草の根・人間の安全保障無償資金協力の一環として日本国外務省が実施した「キャッサバ粉工場増設計画」の完工・供与式を行った。
 本計画は、サンジョゼ・グアジャラウーナ地区におけるキャッサバ粉(マンジョッカ粉)の生産工程改善と生産量の増加、新規の雇用創出、家庭の収入増と生活水準の向上等が目的。
 キャッサバ粉を昔ながらの手作業で生産してきた同組合員が申請、日本政府から7万7218米ドルを限度とする資金が供与された。
 パラー州バルカレーナ市でアルミ精錬事業を行う日系企業のアルブラス社が、自社のPAFAM(家族経営農家の機械化プログラム)の一環として、工程管理など各種支援を行ってきた。
 さらに、組合員は零細小企業支援サービス(SEBRAE)から工場活用のための技術指導を受けたほか、バルカレーナ市が周辺の道路整備や工場稼働に必要な電力供給を行うなど、関係者が実現に向けて一丸となった。
 供与式に於いてソーザ会長は「みんなの協力がなければ成しえなかった。有効な活用を約束するとともに全ての協力者に感謝する」と述べた。
 日系三世のオガワ・バルカレーナ副市長は、「街は、企業・行政・コミュニティーが手を取り合って成長していく。他の地域の見本と成るように期待する。バルカレーナの地域社会を信用してくれた、在ベレン日本国総領事館に心より感謝します」と挨拶した。
 中村アルブラス副社長は「粉を購入し、当社の社員食堂などで使用するなど引き続き支援を行っていく」と確約した。
 沼田総領事は「パラー州民にとり、キャッサバ粉は日本人の米に相当する不可欠な主食。今回の工場増設により、生産性の向上とキャッサバ粉自体の質の向上を期待する」と締めくくった。(パラー州通信員=下小薗昭仁)

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