ホーム | 日系社会ニュース | ブラジル盛和塾=公開講座に100人参加=中小企業の活性化目指し

ブラジル盛和塾=公開講座に100人参加=中小企業の活性化目指し

ニッケイ新聞 2012年3月31日付け

 京セラの創始者・稲盛和夫氏の経営哲学を学ぶブラジル盛和塾(板垣勝秀代表)が23日、文協小講堂で公開講座を開き、稲盛氏の講演DVD『JAL再生の奇跡』上映とパネルディスカッションを行なった。グァタパラ、バタタイス、カンピーナスなど遠方からも企業家らが訪れ、約100人が参加した。
 同塾は国内54、国外に16あり、7200人が所属する。ブラジル支部は海外初の支部として1993年に設立、現在90人の塾生がいる。3千人が参加する世界大会では、山田勇次、二宮邦和、久枝俊夫さんの3人が最優秀賞を受賞するなどしている。
 板垣代表は「80年代は多くの企業が来伯したが今は影も形もない。稲盛哲学を広めて中小企業や地域経済を活気付けたい」と講座の趣旨を説明した。
 DVDのなかで稲盛氏から、「トップに必要なのは強烈な責任感と使命感」とJAL役員らの意識改革に取り組んだ様子が語られ、会場からは「協力と競争はどう両立すればよいか」「稲盛哲学を実践するリーダーの行動や発言が会社の中でどういう効果を生むのか」などの質問が寄せられた。
 これに対して同塾生のパネリストらからは「稲盛塾長は人間として何が大事かという善悪の判断を基に決断している」(板垣代表)、「部下はあらゆる形で日頃の行動や態度を見、それによって付いてきてくれる」(谷広海氏)、「若い社員とも勉強会を続けているが、思いの方向性が社員と一つになってきた」(南忠孝氏)など参考意見が示された。
 開塾以来の塾生の石田光正さん(65)=サンパウロ市=は、「稲盛さんは経営だけでなく人生の師。人生をいかに歩むべきかを教えてもらった」と話し、植野卓治さん(67、大阪)=サンパウロ市=は「稲盛哲学を実践している人の具体的な話が聞けた」と感想を語った。

image_print