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6度目の五輪出場決定!=卓球 小山ウーゴ選手=25年現役、「家族のおかげ」=ロンドンへ向け気合十分

ニッケイ新聞 2012年4月13日付け

 ブラジル卓球界を代表するサンベルナルド・ド・カンポ出身の小山ウーゴ選手(42、三世)が、7月末に開幕するロンドン五輪卓球団体・個人戦への出場権を獲得した。92年のバルセロナ大会以来、6回連続となる五輪出場を祝して10日夜、サンパウロ市のショッピング・エルドラド内の日本食レストランで、同選手のスポンサーを務める日本の卓球用品メーカー「YASAKA」(以下ヤサカ社)から記念のプラッカが手渡された。

 祝賀パーティーには親族やコーチ、関係者ら約30人が集まり、激励を受けた小山選手は本紙の取材に対し「家族の笑顔を見ることを楽しみに毎日練習している。メダルは難しいが、自信を持って一生懸命やりたい」と笑顔で抱負を語った。
 7歳で卓球を始め、17歳でブラジル代表選抜チームに入って以来20年以上現役でプロ選手として国内外の試合で活躍している。
 ヤサカ社のスポンサー歴は長く、1978年を最初に同社の社長が日本の選手を連れ、親善試合などを行って当地の卓球を応援する目的で来伯したときにさかのぼる。
 そのさい才能を見出された故叶野クラウジオ、小山両選手が、いずれも10代後半の頃にヤサカ社の支援を受け、日本大学卓球部でそれぞれ1年間練習を積んだという。
 小山選手を幼少時から知る、叶野選手の父、叶野実さん(73、二世)は「かつてブラジル卓球界では国際交流がほとんど行われていなかったが、彼によって世界への道が開かれた。20年トップで活躍し続けた。6度目の五輪での活躍を期待している」と激励した。
 プラッカを手渡したヤサカ・ド・ブラジル社代表として同社のペドロ・テロハタ氏は「(小山選手の)ブラジル卓球界への貢献はあまりに大きい」と賞賛。小山選手は感激のあまりしばらく言葉を詰まらせ「もう若くはないが、これからも頑張っていきたい」と激励にこたえた。
 小山選手が国内外で試合を終えて故郷に帰ってくるときはいつも無事を祈っているという、祖母の吉本加奈子さん(89、高知)は「感激で胸がいっぱい。本当に嬉しいです」と満面の笑みを浮かべた。
 パーティーでは小山選手がファンを公言するサッカーチーム、パルメイラスの代表も訪れ、ユニフォームを贈った。
 ロンドン五輪にはブラジル代表(卓球)として、他に次の3選手の出場が内定している。リジア・シルバ(31、マナウス)、カロリーネ・クマハラ(16、サンパウロ市)、グスターボ・ツボイ(30、同)。

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