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第九回文協主催全伯俳句大会結果(二〇一八)

大会の様子

大会の様子

{兼題部門}冬季一切 五句投句 投句総数 四六〇句(投句者数 九二名)

特選(◎) 一一句 他は秀作 九九句 選者 一一名(アイウエオ順) 

青木駿浪選

◎生き甲斐は俳句一途や冬ぬくし  リベイロン ピーレス  中馬 淳一

先人の一言の重み移民の日    サルト デ ピラポーラ    百合由美子

 清貧に生きて余生を木の葉髪       サンパウロ   吉田しのぶ

 イペー咲く異国で過ぎし八十年         サンパウロ   大原 サチ

 冬日和至福のお茶を縁側で        グアタパラ   高木美代子

 眞子様のアマゾン訪問移民の日        トメアスー   新井 伯石

 一徹も丸く老いたり寒の月         ポンペイア   須賀吐句志

 百十年子供移民も九十二         サンパウロ   浜田 一穴

 共に生く傘寿の坂や移民の日          トメアスー  新井 慶子

 移民老い根を張り泰然百十年              ロンドリーナ   斉藤 蒼山

   伊那 宏選

◎根に命委ねて菊の枯れにけり     グアルーリョス     二見智佐子

 停年の俄百姓大根引く          グアタパラ   近藤佐代子

 冬の日を使ひ果たして鍬を置く マット グロッソ ド スル   那須 千草

 大榾の燃えころがりて火の粉あぐ  ペレイラ バレット  保田 渡南

 若き日は農婦でありし移民祭         スザノ  畠山てるえ

  母の日や妣への懺悔今にして            サンパウロ   西谷 律子

  縹渺の樹海照らすや星月夜          パラー      安井 信子

  枯菊と言へ在りし日の色とどめ      サンパウロ   武田 知子

  冬ざれや難民の群後たたず           ヴィトーリア    久間かつ子

  三寒の不精四温の紅をさす        グアルーリョス     二見智佐子

   小斎棹子選

◎移民祭殆ど聞けぬ日本語         クリチーバ    西 朋子

 掃き寄せて木々の根もとに置く落葉     クリチーバ   西 朋子

 短日の心残りの受け応へ            サンパウロ     西山ひろ子

 砂糖キビに村囲われて移住祭       グアタパラ    田中 独行

 そっとして置けば燃ゆると榾火番        アチバイア    宮原 育子

 サンジョンや花火の音に児は眠る      マリンガ   中村としえ

 凍てる手に息吹きかけつ摘んだ棉          ルッセリア  中山 哲弥

 帰化もせず同化アマゾン移民の日       パラー    工藤ミトシ

 凍蝶の花にとまりしままとじて       グアタパラ    脇山千寿子

  父母夫もアマゾンの土移民の日        トメアスー     三宅 昭子

   児玉和代選

◎永らえてなんのなんのとたまご酒      ピエダーデ   小村 広江

 ケントン味しみじみと百十年        サンパウロ   寺田 雪恵

 受けとりし姉の包容冬着かな         サンパウロ    森 りつ子

 運命の国と夫かなジュニーナ祭         モジ      浅海喜世子

 移民の日長老の席に人の無し         パラー     高谷 幸子

 凍てる手に息吹きかけつ摘んだ棉       ルッセリア  中山 哲弥

 届かざる想ひを秘めし青みかん サンミゲール アルカンジョ 織田真由美

 虎落笛湖に沈みし村を哭く     ペレイラ バレット   保田 渡南

 椰子の穂のさゆらぎもせず寒の月         サンパウロ    香山 和栄

 移民墓地ふと木枯らしが肩たたく   サンタ カタリーナ     高橋 紫葉

   笹谷蘭峯選

◎百十年の歩み重たく移民の日         サンパウロ    西谷 律子

 孫の夢宇宙飛行士春を待つ    マット グロッソ ド スル     伊藤みち子

 平成の御代もわずかに移民の日  サルト デ ピラポーラ      長田美奈子

息の合ふゲートボールに冬暖し サンミゲール アルカンジョ 大橋 松代

父母夫もアマゾンの土移民の日       トメアスー     三宅 昭子

 望郷の気持も失せて移民老ゆ          トメアスー    新井 慶子

家系附に異人名増えて移民の日        アチバイア   吉田 繁

 ガリンポの絶えて久しき山眠る           サンパウロ     大原 サチ

 おはようの挨拶かわいい息白く           ポンペイア    袴田 光子

富岡絹子選

◎一徹も丸く老いたり寒の月         ポンペイア    須賀吐句志

 清貧に生きて余生を木の葉髪          サンパウロ   吉田しのぶ

 母の日や妣への懺悔今にして            サンパウロ   西谷 律子

 猫膝に読書急がぬ老の冬         サンパウロ   寺田 雪恵

 炊飯の湯気を踊らす隙間風         サンパウロ   坂上美代栄

 シュラスコや爺ちゃん味見と孫持ち来    ルッセリア  中山 哲弥

 一膳の箸を焦して茄子を焼く        サンパウロ    玉田千代美

  虎落笛湖に沈みし村を哭く     ペレイラ バレット   保田 渡南

 ぜいたくなぐちをこぼして日向ぼこ     ポンペイア    須賀あつ子

 茶の花やカザロン残し移民消ゆ       サンパウロ   坂上美代栄

   富重久子選

◎遠来の客をもてなす大焚火        ヴィトーリア   藤井美智子

 山眠るよどみて昏き沼抱きて         アチバイア   宮原 育子

 三寒の不精四温の紅をさす       グアルーリョス    二見智佐子

 届かざる想ひを秘めし青みかん サンミゲール アルカンジョ 織田真由美

 寒夕焼もえる山河やパラナ松           モジ    浅海 護也

 終戦忌いや敗戦と意を違え             スザノ  畠山てるえ

 寒いちご生命線にのせ眺め            ピエダーデ   小村 広江

 清貧に生きて余生を木の葉髪        サンパウロ    吉田しのぶ

 停年の俄百姓大根引く           グアタパラ    近藤佐代子

 隙間風貧しき頃を孫知らず    サルト デ ピラポーラ      百合由美子

西田はるの選

◎虎落笛湖に沈みし村を哭く       ペレイラ バレット    保田 渡南

 ブラジルに礼を尽くして移民祭       サンパウロ   林 とみ代

 六十年ポ語にも慣れず移民の日   リベイロン ピーレス   中馬 和子

 生き甲斐は俳句一途や冬ぬくし      リベイロン ピーレス  中馬 淳一

 眞子様のアマゾン訪問移民の日        トメアスー  新井 伯石

 感謝する己が人生移民祭               モジ     浅海 護也

 セラードに燃やせし命寒夕焼             サンパウロ  鈴木 文子

 冬の星いちずに生きし遠き日よ       ポンペイア    須賀吐句志

 ケントンやふつふつたぎる恋心      ヴィトーリア    藤井ひろすけ

 生涯をポ語になじめず着ぶくれて      ポンペイア   須賀吐句志

   樋口玄海児選

◎ブラジルは緑の国よ移民の日     リベイロン ピーレス  西川あけみ

  シュラスコや百十年の歴史食む     ヴィトーリア    久間かつ子

  母ちゃんのおでんが食べたい娘の電話   サンパウロ    吉田しのぶ

四カ国にも孫ら住み居て移民の日      アチバイア 吉田 繁

  冬菜畑私の好きな物ばかり      セザリオ ランジェ 井上 人栄

  母の日のフェスタは男の料理にて     ポンペイア   佐々木友栄

  和語にポ語弾む日伯鍋料理           パラー   工藤ミトシ

  朝寒やアマゾン忘る時もあり        トメアスー   新井 伯石

  百十年子供移民も九十二         サンパウロ   浜田 一穴

 日差し浴び徐々に色付く冬苺         モジ     檀 正子

廣瀬芳山選

◎三寒の不精四温の紅をさす       グアルーリョス    二見智佐子

 冬の日を使ひ果たして鍬を置く  マット グロッソ ド スル  那須 千草

 砂糖キビに村囲われて移住祭        グアタパラ  田中 独行

  永らえてなんのなんのとたまご酒       ピエダーデ   小村 広江

 一徹も丸く老いたり寒の月         ポンペイア   須賀吐句志

 移民の日移民の自分を忘れおり         パラー     安井 信子

  冬の山故郷どっしり構えけり           トメアスー    三宅 昭子

 他愛なき話も楽し日向ぼこ       リベイロン ピーレス  中馬 和子

 ぜいたくなぐちをこぼして日向ぼこ     ポンペイア   須賀あつ子

冬霞水墨色の牧の景           グアタパラ    近藤佐代子

   広田ユキ選

◎着ぶくれて暗証番号忘れたり      リベイロン ピーレス  西川あけみ

掃き寄せて木々の根もとに置く落葉     クリチーバ   西 朋子

水枯るる大河に島が浮き上る       ヴィトーリア   藤井ひろすけ

 生かされて夫婦の縁冬耕す              モジ    浅海 護也

 虎落笛世界の情勢嘆くかに               トメアスー   三宅 昭子

 放牧の牛が牛呼ぶ夕時雨      サルト デ ピラポーラ     百合由美子

 付けひげの少し曲ってジュニーナ祭      パラー     岩永 節子

 セラードに燃やせし命寒夕焼          サンパウロ  鈴木 文子

 移民墓地ふと木枯らしが肩たたく     サンタ カタリーナ   高橋 紫葉

 不機嫌にあらず思案の懐手          アチバイア   宮原 育子

 

{席題部門} 席題=春寒、藤、子猫、(春季一切)

一般は五句投句五句選、選者は五句投句十句選(特選、次点含む)

投句 投句総数 一二0句(投句者数 四十名)

特選 四句、次点 四句 他は秀作 三二句 選者 四名(アイウエオ順)

伊那 宏選

◎余生今天に任せて大朝寝         サンパウロ   吉田しのぶ

〇春一番地球の扉あけはなつ           サンパウロ   近藤玖仁子

 桜咲く皇室外交百十年          サンパウロ   鈴木 文子

 吾子の国父母眠る国サビア鳴く        サンパウロ  西谷 律子

 北鮮に融和のきざしうそ寒し       サンパウロ   吉田しのぶ

 春寒や牧にたたずむ牛の群れ         モジ     浅海 護也

 オアシスはわが中にあり藤の花            モジ    浅海喜世子

 被爆者の届かぬ叫び春寒し         サンパウロ  西山ひろ子

 うららかやアミザーデてふ句縁あり      サンパウロ  西山ひろ子

 百年の森をゆすりて山笑う                 サンカルロス 富岡 絹子

小斎 棹子選

◎吾子の国父母眠る国サビア鳴く      サンパウロ   西谷 律子

〇父の日や反面教師の父なりし         サンパウロ   西山ひろ子

 春を待つ心に増して雨を待つ       サンパウロ   原 はるえ

 藤棚に雨やどりして髪濡らす                コチア   森川 玲子

 華やぎの心も連れて春来る        サンパウロ   鈴木 文子

 子猫抱きおもちゃも一つ持ちにけり    サンパウロ   串間いつえ

 春が来た感動もらう鍬一丁         ピエダーデ   小村 広江

 モジアナの母の記憶やコーヒー花 リベイロン ピーレス   西川あけみ

 三世の花に涙す父祖の国             モジ     浅海 護也

 藤の花おのが重みに耐へて咲く        サンパウロ  廣瀬 芳山

 富重 久子選

◎藤かほり移民の道をふり返る       グアタパラ   脇山千寿子

〇北鮮に融和のきざしうそ寒し         サンパウロ   吉田しのぶ

 百年の森をゆすりて山笑ふ              サンカルロス 富岡 絹子

 乗り換への郊外電車春寒し                スザノ   畠山てるえ

 藤の雨淋しさつのるばかりかな      サンパウロ   小斎 棹子

 春寒し小石ついばむ園の鳩         サンパウロ   香山 和栄

 陽の恵み日々にふくらむ合歓の花         サンパウロ   近藤玖仁子

 花冷や階につまづくバスの中         サンパウロ   串間いつえ

 生れ来るものみな光る春の風         アルミニオ   伊那 宏

 余生てふ恵みに感謝老の春          サンパウロ   林 とみ代

吉田しのぶ選

◎十二人死刑のニュース春寒し       サンパウロ   小斎 棹子

〇吾子の国父母眠る国サビア鳴く        サンパウロ   西谷 律子

 ドッコイショ六根清浄春寒し        ピエダーデ   小村 広江

 春の句座良き日良き句友良き集ひ        サンパウロ   鈴木 文子

 被爆者の届かぬ叫び春寒し         サンパウロ   西山ひろ子

 藤の花昭和は限りなく遠し              サンパウロ   西山ひろ子

 囚人で大統領候補春寒し               サンパウロ   西森ゆりえ

 改憲の是非が問わるる終戦日       サンパウロ   鈴木 文子

 うす陽さす平成最後の終戦日           ソロカバ  住谷ひさお

 被写体に耐えし愛らし小猫かな       グアタパラ   近藤佐代子

  席題総合得点

一位      西谷 律子  二十一点

二位      西山ひろ子   十八点

三位      西森ゆりえ   十五点

四位      森川 玲子   十二点

五位      鈴木 文子、浅海 護也 十一点

六位      小村 広江    十点

七位      脇山千寿子、太田 映子、吉田しのぶ 九点

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