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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2012年5月3日付け

 今年は米仏韓で大統領選挙があり、中国は国家主席が胡錦濤から習近平に移譲されるし、ロシアでは昨年12月にプーチン首相が大統領に選ばれている。今回から3選は禁止となったが、一期が6年になり、プーチン大統領が2期連続すると12年の長期政権が誕生する可能性が極めて高い。国家院(下院)も、総議席の80%を占め政治基盤も固い▼中国の動きは表面的には穏やかに見えるが、重慶市の最高幹部らの醜態が暴露され、水面下では権力闘争が激しくなったの話が報道されているし、党人事や内閣の編成には注目したい。フランスは保守派と社会党との激戦が続く。サルコジ大統領は、先の第1回選挙で社会党のオランド氏に僅差で敗れたが、6日の決選投票で逆転をと遊説で田舎にも足を伸ばし頑張っている。アメリカとしてはサルコジ再選をと願っているが、こればかりは投票箱を開けるまでは神のみぞ知る—である▼米も難しい。国民的な人気では1番のヒラリー国務長官が出馬すれば、100%当選の世論調査もあるのだが、ご本人が辞退しているし、民主党としてはオバマ氏で闘うしかない。が、経済政策への批判が強く。共和党の候補ロムニー氏も「経済政策の失敗と大きな政府」を非難し「自由競争を重視するアメリカ」を訴えている▼北朝鮮の金正恩第1書記の軍事優先策を抱える韓国も厳しい。李明博人気も低く、与党ハンナラ党の確実な勝利は予測し難い。実力者の朴槿惠氏(故・朴正煕大統領の娘)に期待が寄せられているが、野党からの攻撃は激しく、これをいかに乗り切るか—と難問が多い。(遯)

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