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日教寺=自慢の大屋根、もうじき完成=コレイア住職「30年の悲願」=落慶式は11月を予定

ニッケイ新聞 2012年6月5日付け

 ブラジル本門佛立宗中央寺院日教寺(コレイア教伯住職)の創立50周年を記念した大屋根建設の9割が終了し、その雄大な姿が近隣住民の関心を呼んでいる。「お寺らしくないお寺」と言われてきただけにシンボルとなる大屋根の建設は同寺の悲願だった。コレイア住職は〃芸術作品〃と胸を張り、11月18日に盛大な落慶式を予定している。

 現在のコンクリート製で、一般的な形状の会館の建設当時から、大屋根の建設予定はあった。しかし予算捻出が叶わず、後に付設しやすいよう玄関を深いひさしのついた構造とするに留まった。
 その計画が再び動き出したのは5年前。コレイア住職が大阪の守口義天寺を訪れた際、美しい銅板作りの大屋根を目にしてからだ。
 感動した勢いで、同寺の住職に詳細について尋ね、施工を担当した建築会社「西河工務店」(西河修一代表)も紹介してもらった。長い討議と下準備の末、今年3月に施工を開始。西河代表を含む日本の宮大工ら5人が作業にあたった。
 「日本とは比べ物にならない」(西河代表)という工具や建材に苦労しながらも、土日休日を返上して建て進めた。極力釘や鉄板を使わない伝統の工法にこだわり、5月中旬に現在の状態までこぎつけた。今後は格子の取り付け、紅梁の設置などの仕上げ作業を残すのみだ。
 コレイア住職は大屋根を満足そうに見上げ「まさに芸術作品。一日のうちに何人も見物していく人がいるほど。寺の先人たちのご恩に報いることができそうだ」と感慨深げな表情を見せた。

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