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Yoki創立者の孫殺される=死体はバラバラで遺棄=逮捕の妻は犯行を否認=売却問題との関係は?

ニッケイ新聞 2012年6月6日付け

 食品メーカー「Yoki」の執行役員で、創立者・北野ヨシゾウ氏の孫、北野マツナガ・マルコス氏(42、三世)が殺害され、遺体の頭部、片足、両腕がコチア市カウカイア・ド・アルトの森林地帯で発見された。5日付エスタード、フォーリャ両紙が報じた。

 警察は4日夜、マルコス氏の妻、エリーゼ・ラモス容疑者を殺人の疑いで逮捕。犯行の動機は不明で、エリーゼ容疑者は容疑を否認している。
 遺体の部位はそれぞれビニールの袋に入った状態で先月末に順次発見され、遺棄される前までは冷蔵庫で保管されていたことが警察の捜査でわかっている。
 被害者の両親の弁護士、ルイス・フラビオ・ボルジェス氏によれば、マルコス氏はサンパウロ市ラパ区の自宅アパートを先月20日朝に一人で出て行き、その後エリーゼ容疑者がスーツケースを持って出て行く姿が防犯カメラに残っているという。以降、行方がわからなくなったことから家族は捜索願を出していた。
 同弁護士は「特に脅迫を受けたこともなく、敵はいなかった。とても不可解」と話している。
 また、警察の調べでマルコス氏は60万レアルの生命保険に入っていたことも判明している。
 Yoki社は先月24日、約20億レアルで米国食品大手「ジェネラル・ミルズ社」に売却することを発表したばかり。
 創立者の北野氏には2人の娘がおり、それぞれの夫、ミツオ・マツナガ氏がCEO(最高経営責任者)、ガブリエル・シェルビーニ氏が副社長を務めている。業界関係者によれば、両家の間には経営方針に関する意見の不一致があったことで有名だったという。
 マルコス氏はマツナガ夫妻の息子で、前妻とエリーゼ容疑者との間に一人ずつ娘がいる。