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モジ在住84歳の宇都宮さんが強盗を返り討ち=ビリグイでは二世が逆に…

ニッケイ新聞 2012年6月21日付け

 18日、サンパウロ州モジ市グァチアンガ区で農業を営む宇都宮アキラさん(84)が自宅に押し入った強盗に反撃、一人を射殺した。一方、ノロエステのビリグイ市では16日、強盗に入った日系二世が、持っていた銃を奪われ、撃ち殺されるという立場が全く逆の事件が起きている。エスタード紙が報じた。高齢の男性が強盗を返り討ちにするというのも驚きだが、強盗を働く日系人の存在もまたしかり—。

 警察によれば、同日午前11時頃、宇都宮さんの妻サエコさん(81)が畑で作業をしていたとき、侵入した強盗らに捕らえられ、自宅まで連れて行かれた。何者が家の扉を開けているのに気づいた宇都宮さんが廊下まで出たところ、銃を持った賊二人と、台所の床に伏せていたサエコさんを発見。
 強盗の一人が壁に向かって少なくとも4回発砲するや否や、宇都宮さんも所持していた拳銃で反撃に出た。発砲した弾は強盗の一人、チアゴ・クレーベル・オリンピオ容疑者(26)の頭部に命中。同容疑者を伴い、残り3人は逃走した。
 そこから1キロ以内の地点で同容疑者を置いて逃げ、駆けつけた軍警によって病院に搬送されたが、病院の入口で死亡した。
 宇都宮さんの行為は正当防衛とみなされ、罪には問われない。使用した拳銃は合法的に入手されたものだが、所持を認める証明書は持っていないという。警察は残り3人の行方を追っている。
 ビリグイの事件では、日系人が加害者側に。16日、山口マルセーロ・タダシ容疑者(37)が、押し入った家に住む72歳の男性ともみ合いの末、拳銃を奪われ射殺された。
 容疑者は日本に住んだことがあり、ブラジルでは窃盗容疑で逮捕歴があるという。
 クリスチアーノ・オリベイラ・メロ警察署長は「彼は非常に幸運だったが、彼のように反撃に出ることは勧められない」としている。

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