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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2012年8月3日付け

 これでメルコスル(以下「M」)の国内総生産(PIB)の合計は世界5位に匹敵(ブラジル単独では7位)——との発表が、ベネズエラ(以下「ベ国」)のM加盟を受けて行われた。伯メディアは色々なコメントを出しているが、なるほどと思ったのは「ジルマは現実的な判断に徹した」というものだった▼厳しい対米批判が売りのチャベス大統領を敵対視する親米勢力にとって、M加盟は気に入らない選択だ。加盟反対の急先鋒だったパラグアイを、大統領罷免の経緯を問題にして資格停止にしている間にベ国を正式加盟させた、伯亜らMリーダー国の手際がどう評価されるか▼パラグアイのPIBは世界106位、南米PIBの中でも0・7%(伯は54%)だが、ベ国は世界31位、南米でも9%という経済規模を持つ。ベ国加盟により、M圏内の工業製品の販路が広がるし、世界有数の産油国の域内存在は—パラグアイには申し訳ないが—ブラジルにとってかなり都合がいい▼南米経済(12カ国)をPIB順にあげれば半分をブラジルが占め、14%が亜国、10%が親米コロンビア(準加盟)、4位がベネズエラ、ここまでで、もう86%だ。反米の牙城たる南米の地盤固めをする意味では、ベ国加盟で左派勢力は勢いづくに違いない▼今年10月のベ国大統領選挙では、チャベス現職が立候補すると予想されており、このM加盟は最高の政治的プレゼントだろう。費用対効果を考えれば、見返りにエンブラエル機を買うことなど安いものだ。もしチャベスが再選を飾れば、その〃本当の見返り〃は2年後のブラジル大統領選挙の直前に届けられるだろう。(深)

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