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ピニャール移住地=入植半世紀、4百人が盛大に=福井県知事ら21人来伯=記念体育館の落成式も

ニッケイ新聞 2012年8月7日付け

 ピニャール移住地入植50周年式典が5日、サンミゲル・アルカンジョ市内のコロニア・ピニャール文化センターで開かれた。西川一誠・福井県知事を始めとする慶祝団21人が来伯したほか、在聖日本国総領事館の星野元宏領事、同市のアントニオ・セウソ・モシン市長、安部順二連邦下院議員ら来賓を含む約400人が出席した。式典後には記念事業の一環として建設された体育館の落成式が行われ、盛大に祝賀会も催された。

 先亡者慰霊法要後、午前10時から式典が始まった。コロニア・ピニャール文化体育協会の西川修治会長による開会宣言、日伯両国国歌が斉唱された。
 50周年記念事業委員会の山下治委員長の挨拶では、移住地開設の経緯とともに、創設・発展に携わった関係者への感謝の言葉が述べられた。記念事業の一環として建設された体育館については「五輪に出場できるような人材の輩出を夢見ながら活用していきたい」と話し、会場を沸かせた。
 今回が初めての同移住地への訪問となった西川知事は「福井県民を代表して、幾多の試練を乗り越え、今日のブラジル社会の礎を築いてきた先駆者に、心から感謝と敬意を表します。今後も福井県とコロニア・ピニャールとの関係を着実に発展させ、日本とブラジルとの友好交流に寄与していきたい」と話した。
 来賓各人からの祝辞が述べられた後には、日本側の慶祝団とブラジル側双方からの感謝状の授与と、慶祝団への記念品の贈呈もあった。
 続いて参列者は揃って体育館の前に移動し、記念植樹並びに落成式が行われた。7本の杉とコッケイロの木が植えられた後に、真新しい体育館の戸が開けられ、西川知事らによってテープカットがなされると、参列者の間から大きな拍手と歓声が上がった。
 体育館で開かれた祝賀会では、同移住地日本語学校の和太鼓グループによる演奏や、同校生徒らによる合唱曲などの余興が披露され、午後3時頃まで賑やかに会食が行われた。
 1962年に第一期移民として同移住地に入った織田真由美さん(76、福井)は「あっという間の50年だった。これからも生涯現役で、死ぬまで頑張りたい」と笑顔で話した。

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