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コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2012年8月21日付け

 『汚れた心』試写会後の記者会見で、アモリン監督に「ブラジル人がテーマを理解すると思いますか」と尋ねると、「すると思う」と言ってその理由を説明してくれたが、個人的には微妙だと思った。
 主演の伊原剛志の演技には、3人を次々に殺さなくてはならない狂気めいた空気が欠けていた。むしろ日本刀での殺人シーンを強く印象付ける見せ方で、原理主義、人種差別、アイデンティティというテーマを観た後で考えるだろうか。
 とはいえ、特に前半部分の細かな情景描写から、文章で読んだことしかなかったこの事件を初めて現実感を持って想像でき、映像のもつ力を改めて実感させられた。事件そのものを両国民に広く認知させる、という意味でも意義ある作品だ。
 反響が大きければ、そのこと自体がまた事件だ。コロニア史だけでなくブラジル映画史に残る出来事になると思う。(詩)

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