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懐かしい悲恋劇に涙絞る=『泊阿嘉』伯国初上演か=母県から専門家招き実現

ニッケイ新聞 2012年9月5日付け

 インテルバン旅行社(仲宗根勝代表取締役)が主催する組踊『琉球の華』と沖縄芝居『沖縄の情け』が8月26日午後、聖市の沖縄県人会本部で行われ、エスタード紙など大手伯字紙でも報道されたこともあって非日系人の姿も散見され、有料にも関わらず1千人以上が会場を埋めた。
 沖縄県立芸術大学を拠点に舞台活動に励んでいる阿嘉修(あか・おさむ)、嘉数道彦(かかず・みちひこ)両氏を招き、斉藤悟琉舞道場や島袋順子琉舞練場などが全面協力して実現した。
 「組踊り」は、中国皇帝が遣わした冊封使を歓待するために創作したせりふ、音楽、舞踊による歌舞劇で、2010年にユネスコの「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表」に掲載された。今回は「万歳敵討(まんざい・ちちうち)」、「人盗人(ひとぬすびと)」などが抜粋上演された。
 第二部では、沖縄版「ロミオとジュリエット」といわれる歌劇「泊阿嘉」が演じられた。庶民の阿嘉家長男(タルガニ=嘉数道彦)が深窓の令嬢(思鶴うみちる=斉藤悟)に一目ぼれし、身分の違いを超えた恋愛に苦悩する悲劇をしっとりと描いた名作。沖縄方言のセリフだが、舞台横の特設画面に日本語、ポ語の字幕が現われ、会場は真迫の演技に一喜一憂していた。
 歴史に詳しい宮城あきらさん=サントアンドレ在住=によれば、「『泊阿嘉』上演はブラジル初かもしれない。貧富の差に引き裂かれる悲恋の話で、沖縄の人々の心を掴み大ヒットした」と解説する。
 来場者の玉城啓子さん(けいこ、73、沖縄)は「若い頃に故郷で見て以来初めて。涙が出て止まらなかった。悟ちゃんの演技は本当に天才的。ウチナーグチなのでよけい心に沁みた。100コント払ってでも見る価値ある」と興奮さめやらない様子で語った。

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