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東西南北

ニッケイ新聞 2012年10月3日付け

 カランジル刑務所の囚人虐殺事件を題材にした作品は非常に多く、映画では2003年の「カランジル」をはじめ2本、書物ではドラウジオ・ヴァレーラの書いた「カランジル駅」が有名で、こちらは演劇化もされている。音楽ではヒップホップ・グループ、ラシオナイスMC,sの「ジアリオ・デ・ウン・デテント」が有名だ。またカランジル刑務所は世界的に大ヒットした米国のTVドラマ「プリズン・ブレイク」のモデルにもなったと言われている。
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 カランジルの囚人虐殺から20年の今年の10月2日は、サンパウロ市中央部のサンパウロ美術館(MASP)の創立65周年でもある。当時のブラジルのメディア王、「ジアリオ」紙のアシス・シャトーブリアンによって開かれたMASPは、つい最近も「カラヴァッジオ展」が2時間30分待ちの行列ができるほどの大盛況で話題となった。現在は「朝鮮600年の陶芸展」などを開催中だ。
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 9月27日付の本欄でも触れた、プロトジェネス・ケイロス下議(サンパウロ州選出)が「公開中止にしろ」と訴えた米国映画「TED」は、下議の行為が逆に宣伝効果となってしまい、公開2週目の週末は前週より10%増の観客動員となった。これでブラジル人の55万人が「大麻を吸う熊のぬいぐるみ」の映画を鑑賞することに。黙っていた方が広がらなかったかも。

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