ホーム | 日系社会ニュース | 傘寿にして新記録を続々=投てき選手 松島功さん=半年間で金メダル18個=「次は世界記録を目指す」

傘寿にして新記録を続々=投てき選手 松島功さん=半年間で金メダル18個=「次は世界記録を目指す」

ニッケイ新聞 2012年12月18日付け

 今年80歳を迎えた松島功さん(岡山)は、イビラプエラ陸上ベテラノ会のホープだ。今年80歳以上の年齢別カテゴリーに仲間入りして以来、7月の全伯陸上競技大会を皮切りに日系地区対抗マスターズ陸上競技大会、全日本マスターズ大会(岡山県で開催)、サンパウロ州大会、南米大会の5大会で、出場した投てき種目全てにおいて大会新記録を達成した。獲得した金メダルの数はなんと18個。約20年間、毎年ブラジルを代表して世界大会にも出場しており、「槍投げは何とか世界記録を破れそうなところまで来た。次は世界記録を狙いたい」と新たな挑戦に闘志を燃やしている。

 得意種目は砲丸投げや円盤投げといった投てき競技で、20年以上国内外の大会に出場し好成績を収めてきた。
 投てきというと頑健で大柄な選手と想像しがちだが、松島さんは身長163センチ、体重67キロと投てき選手にしてはかなり小柄な方。そのため「世界大会では、皆体重も僕の倍ある。僕が勝つと、『なんでこんなチビに』と悔しがって挨拶もしない」と話す。
 訓練法は全て自己流。専門のコーチをつけたことは一度もない。自分のフォームを撮ったビデオと一流選手の映像を教師に研究を続けている。
 「大事なのはフォームと柔軟性」。試行錯誤を続けるなか、「一流選手のフォームを真似したら、60歳過ぎてから1年間で6メートルも記録が伸びた」と明かす。技術を生かす柔軟な筋肉を保つため、毎日の柔軟体操も欠かさない。
 若い頃からスポーツが好きで、チエテ移住地に住んでいた青年時代から全伯陸上大会に出場していた。農業で一家を支えながら、仕事が許す範囲で陸上を続けてきた。1972年、同ベテラノ会が創立されて以来理事を務める。
 同ベテラノ会の梅田清代表は「松島選手は生まれた町である岡山で大記録を達成したことで、故郷に錦を飾った。誠に鮮やかだ」と賞賛を贈り、今後の活躍に期待を寄せた。

image_print