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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2013年2月26日

 例年なら「カーニバルを過ぎたら涼しくなる」というのに、今年の夏はその前に冷え込み、その後が暑い。ところが、日中は暑くなり午後は雨のパターンがしばらく続くと聞いた直後の20日、「夕べから気候が変わった」と呟いた人がいた▼インターネットでは暑さが続くとあったが…と思いつつ見ていたら、少なくともサンパウロ市ではその日から、雷や雨はあっても午後の豪雨が止み、脱帽のコラム子。インターネットなどの情報に頼り、自分で判断したり風を読んだり出来ない事を痛感すると共に、こういう事でもないと自分が集めた知識や情報に頼る癖は直らず、他者の判断力や知識を尊重する事を忘れるのだろうとも考える▼「自分が出来る事や知っている事は微々たるものだ」と知る人は他者に教えや助けを請う事もいとわないが、自分は出来る、自分は知っていると思いたい、思わせたいのも人の常。知ったかぶりをしてえらぶる若者の姿にかつての自分(今も?)を重ね、何も知らないと知る人はより深くより広い知を求めるようになるのにと考える▼ソクラテスの「無知の知」との言葉や、「賢い人は愚かな人からも学ぶが愚かな人は賢い人からも学ばない」という本で生齧りの言葉が思い出される。気候が変わって「降れば土砂降り」の状況が終われば、雷鳴、豪雨、停電の連鎖を恐れる必要がなくなるから、少し安心して仕事も出来る。そういえば、豪雨・停電で何も出来なくなった先週月曜午後、場所や機械を貸して下さった方や編集部の仕事が終わるまで待っていてくれた他部門の人もいた。色々な人や先人の厚意、知恵に支えられ、毎日が過ぎてゆく。(み)

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