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昭栄奨学金の募集開始=返済無用で最賃を卒業まで=応募締め切りは3月8日

ニッケイ新聞 2013年2月27日

 数年前にブラジルから撤退した昭栄株式会社が当地に残した約83万レアルを原資とし、国外就労者情報援護センター(CIATE=二宮正人理事長)宮坂国人財団がデカセギ帰伯子弟向けに奨学金として運用をする「昭栄基金」の募集説明会が23日午後、同センターで行われ、20人以上が説明に聞き入り、申込み用紙や資料を持ち帰った。
 開始30分前から会場で待っていた名嘉眞シモネ・サチエさん(21、二世)=サンパウロ市在住=は、半年前に帰伯したばかりで在日歴9年。滋賀県大津市で小学6年から高校卒業までを過ごした。「日本だとせいぜい高校止まり、大学は難しい。でもこっちなら可能だと思って帰ってきた。大学で国際関係を勉強したい。今ポ語の家庭教師をつけて特訓中。できたら来年、大学に入ってこの奨学金を申請したい」と目を輝かせた。
 一緒に来た滋賀県時代からの友人、喜友名・上田ナオミ・ブルーナさん(24、三世)も在日歴12年で日本で短大(英語学科)まで卒業したが、「大学で看護学を勉強したくて先月帰ってきた」という。「日本と全然違う。特に治安が悪いし、道路も汚い」と顔をしかめる。でも将来性を感じ、名嘉眞さんと一緒にポ語特訓中だ。
 柿崎とみおさん(48、二世)の場合、12歳まで広島県で育った娘が当地で今年高校を卒業する。「大学受験後のことを考えて、娘の代わりに昭栄基金のことを聞きに来た」と笑う。柿崎さんは在日20年で、2年前の5月に帰伯した。
 広島県福山市の液晶パネル工場に15年間も勤め、日本語も堪能で、最後は品質管理の仕事を任されていた。帰伯後すぐに帰伯労働者情報支援センター(NIATRE)に相談に行き、職の斡旋を受け、現在のSKY Corte Laser社(鉄材レーザー加工)の品質管理部に就職した。「日本で学んだ技能が、今とても役に立っている」と胸を張った。
 柿崎さんは「福山で生まれ育った13歳の息子は日本語の方が得意。日本語も忘れて欲しくないからパソコンには日本語ウィンドウズも入れている」との工夫を凝らす。
 同センターの大嶽達哉専務理事によれば、昭栄基金は30歳以下のデカセギ帰伯子弟本人や、家族や親戚が訪日就労していた子弟に限る。日本文化を理解する子供が当地でその経験を活かして活躍する手助けをしたいという。
 大学に今年入学した応募者の中から選考の上、返済無用の奨学金を卒業まで毎月1最低給支給する。年間5人までで「原資がなくなるまで続ける」という。同センターで志望動機の作文を直筆で書く必要がある。応募締め切りは3月8日まで、同月末に合格者発表。次回募集は来年2月。問い合わせはCIATE(11・3207・9014)まで。

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