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半世紀続く国際人材交流=HIDA「日伯の橋渡しを」=訪日研修、伯人OB多数

ニッケイ新聞 2013年3月2日

 主に開発途上国の産業人材を対象とした研修や専門家派遣などを実施する財団法人海外産業人材育成協会(略称HIDA)は、前身の団体(AOTS)が1959年に発足以降、ブラジルからもこれまで約3千人を研修生として受け入れ、日本からは講師を派遣してブラジルで1300人を研修している。
 現在、同協会を通じて当地に半導体設計の技術指導を行う専門家が3人派遣されており、5カ月滞在してカンピーナス、ポルト・アレグレ両市で指導を行っている。終了間近となったこのプログラムの視察のため、事業推進部の平野貴昭部長(50、長野)、池田慎吾さん(40、岡山)が来伯して本紙を訪れた。
 同協会は(財)海外技術者研修協会(AOTS)、(財)海外貿易開発協会(JODC)という別々の団体が2012年3月に合併して発足した。経済産業省の委託事業として諸外国からの研修生の受け入れ、日本からの講師派遣、日本人の海外インターンシップなどを実施、2011年までの累計で16万人以上を受け入れ、海外で19万人を超える研修を行った。
 世界43カ国に元研修生による同窓会があるが、伯国では「Instituto HIDA/AOTS」という名称で聖市、リオの2カ所にあり、日本文化や日本的経営の普及、日本への研修生の推薦、セミナーの開催や進出企業のサポートなどを行う。
 これまで多くのブラジル人研修生が訪日し、それぞれ日本語を集中して学んだ後、東芝、日立、横河電機、国鉄など民間企業等に派遣され技術研修を行ったという。
 同窓会メンバーの島袋栄喜さん(62、沖縄)、坂倉純さん(72、東京)によれば、この制度を利用して日本で研修を行った著名人は多い。コロニアでも山内淳、山下譲二、与那嶺真次など各氏がいる。その他有名企業の役員など成功者が多く、「人生が変わった」と一様にして日本ファンになって帰国するという。
 聖市にある同窓会のメンバーは約2千人。島袋さん、坂倉さんによれば、「約50年存続しているものの実際は形だけで、あまり活動は行われていなかったが、伯国が注目を集め始めた近年、活発化してきた」とか。
 平野部長によれば2009年、10年と連続して事業仕分けの対象となったというが、「ブラジルはエンジニア不足。高速鉄道など、これから何か新しいプロジェクトが出てくればもっと活発化するはず」と期待を膨らませる。
 また、「世界にある同窓会のネットワークが将来的に続いていけば」とも語り、島袋さんらも、「同窓会としても橋渡ししたい」と意欲を見せている。
 2人は16日から滞在し、22日に帰国の途に着いた。

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