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日系農業連絡会議=日本への輸出可能性探る=70人が全伯から事業報告

ニッケイ新聞 2013年3月6日

 農水省の委託を受け、中央開発株式会社(瀨古一郎代表取締役社長、1946年設立)が進めている「中南米日系農業者連携交流委託事業」の締めくくりとし、『第4回日系農業連絡会議』が先月21日、ニッケイパラセ・ホテルで開催された。約70人が出席し、各事業の報告が行われた。

 同事業の目的は「日系農協等組織間の連携強化」「若手の人材育成」「中南米4カ国との良好な農業交流の維持・発展」の4つ。これらの目的に沿って、東京・聖市でそれぞれ年4回の連絡会議が開かれたほか、「日系農業技術者の技術研修」として6種の研修が当地で実施された。
 はじめに、ブラジル農業拓殖協同組合中央会の近藤四郎会長が「現地の声によく耳を傾けてくれた。これからもどんどん世代交代しながら事業を盛り立ててほしい」と挨拶した。
 日本への輸出可能性が検討された当地の連絡会議の報告では、トメアスー農業協同組合の坂口フランシスコ理事長が「日本は有望市場だが市場参入が難しい」と話した。その理由とし、「日本の品質管理はとても厳しい上、遺伝子組み換え作物は受け入れない一方、遺伝子組み換えでない商品を高く買い取りもしない。まずはこの矛盾を解決する必要がある」と述べた。トロピカルフルーツなど日本での栽培が難しい作物や、規制のゆるい家畜用飼料は輸出可能性が高いという。
 「中南米リーダー人材育成研修」の訪日報告では、コパセントロ農業協同組合の棗田マウロさんが、作物工場や緑の生糸を出す緑色の蚕(天蚕)の飼育を将来有望な事業として紹介し、日本が90%輸入に頼る肉類に加えてマテ茶も需要があると話した。日本市場への参入に関しては「大企業でも参入の仕方が分かっていない。仲介業者を挟むべき」と強調した。
 参加者は特に、日本の市場や商品の流通の仕方に関心を示し、あまった食材の処理法やゴミのリサイクル法に関して多数の質問が寄せられた。
 同会議は終日行われ、参加者らはイグアス移住地で開催された「南米婦人会のつどい」や日伯双方の交流事業「ふるさと交流研修」、中南米研究交流、現地技術研修等、それぞれの研修における成果や課題を分かち合った。

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