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商議所部会長シンポ=(上)=多分野で高成長に陰り=市場拡大続くが勢い弱く

ニッケイ新聞 2013年3月6日

質問も飛んだ自動車部会で発表する岡本部会長代理

質問も飛んだ自動車部会で発表する岡本部会長代理

 ブラジル日本商工会議所(近藤正樹会頭)の企画戦略委員会(林正樹委員長)と総務委員会(上野秀雄委員長)が共催する『2013年度上期 業種別部会長シンポジューム』が2月22日、聖市のホテルで行われた。約150人の進出企業関係者らが出席し、それぞれの分野の専門家による発表に熱心に耳を傾けた。GDP成長率が1%内に留まり、多くの分野の業績がマイナス傾向となった昨年に比べ、今年は緩やかな回復に向かうものの、大きな成長は見込めない傾向にあるようだ。福嶌教輝在聖総領事は「回復傾向にはあるが13年は大きな成長は望めなさそう。ブラジル・コストは依然として大きな障壁だが、世界有数の投資額が集まる国であることは変らず、伸びの著しい北東伯にも期待したい」と総括の講評をした。

 【金融部会=山崎展生部会長】欧州危機や中国経済の減速により世界的に経済が低迷した2012年、ブラジル政府はSELIC(基本金利)の引き下げ、輸入関税率の引き上げなどの国内生産・消費を活発化させる政策努力を行ったものの結実せず、GDP成長率は1%内にとどまった。
 山崎部会長は今年の予測として、大統領選が終わり、政治要因が解消された米国や、債務問題にも道筋がつき最悪の状態からは抜け出しつつある欧州など、不透明感が減少しつつある国外要因、政策努力がようやく効果を発揮しつつある国内要因を踏まえ「回復への準備は整い、その兆しもあるが、スピードは遅いだろう」とまとめた。
 【自動車部会=岡本紀子部会長代理】昨年5月に始まったIPI減税の効果は大きく、四輪車の販売台数は11年度比5%増の380万台で、過去最高を記録した。
 政府がINOVAR-AUTO(新自動車政策)を策定して国内産業強化の方針を打ち出したことで、輸入車増傾向はストップ。各社が新工場建設など現地生産の動きを拡大させ、生産能力を高めている。
 一方で、今年に入りIPI減税の段階的な廃止が始まっており、7月には通常税率に戻る予定で、揺り戻しによる販売減が懸念される。
 【機械金属部会=西岡信之部会長】12年は石油会社ペトロブラス社の業績悪化にともない、大規模投資の遅れや予算の削減が行われ、プラント機器など各分野で受注遅れ、失注が目立った。この流れは今年にも引き続き、同社の設備投資が活発化する可能性は低く、関係する受注が低迷する可能性も否定できない。
 一方で造船分野は日本企業の進出の本格化が見込まれており、企業間の技術者派遣、受け入れも予定されているなど活発な動きを見せている。
 【電気電子部会=篠原一宇部会長】昨年はデジタルAVや小物家電の売り上げがほぼ横ばい、または微減に留まる中、IPI減税の対象となった白物家電は軒並み売り上げを伸ばした。今年は段階的な廃止傾向となるものの減税は続く見通しで、その恩恵は大きいと見られる。
 携帯電話分野では、スマートフォン(多機能携帯電話)の販売が大きな成長率を見せており、13年中に携帯電話全体の40%にまで増加する見込み。さらに全体の販売予測として「W杯、オリンピックに向けた需要の増大により販売拡大を期待する」とまとめた。

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