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里帰り訪日使節団=いざ半世紀ぶりの祖国へ!=今月末出発、期待あらわ=説明会で聞く古里への思い

ニッケイ新聞 2013年3月16日

 戦後移住60周年を迎える今年、サンパウロ新聞社と海外日系人協会の主催で「ブラジル移住者里帰り訪日使節団事業」が実施されるにあたり、12日午後、同社の事務所で参加者らを集めた説明会が開かれた。元サ紙OBの竹内政司氏がスポンサーで、移住してから一度も日本に帰国していないブラジル在住の移住者を対象に、今月30日から約3週間、一時帰国を叶えるものだ。出発を今月末に控え、期待と少しの不安が入り混じった面持ちで説明会に訪れた参加者に、祖国への思いを聞いた。

 「全然覚えてないから一度は行ってみようかと。富士山にでも登ってこようかと思ってるよ」と笑うのは、藤本守人さん(81、山口)。4歳でブラジルに渡って以来、77年ぶりの祖国となる。マリリアに入植して農業一筋、現在はカンピーナスの東山農場で汗を流す日々だ。
 集団行動の後は、故郷の岩国市に住む妹夫婦をたよる予定だ。「いとこの名前も知らないから、市役所にいって聞いてみる。墓参りもせないかんしね」としみじみ。
 1960年、家族5人で移住した宮田隆行さん(69、広島)は、聖州カッポン・ボニート在住。「仕事に追われて日本に帰る気にもなれんかった。いつの間にか半世紀。完全に浦島太郎よ」と笑う。移住当時16歳。「中学校卒業まで過ごした場所の友だちと会いたいし、お好み焼きも食べたい」と屈託なく笑った。
 46年の南海地震で両親を亡くした土井康充さん(73、兵庫)さんは施設で育った。「お墓があったけど、津波かなんかで流された。だから、もうないと思うね」と淡々。ただ、神戸にいるおじ夫婦のことが気にかかっている。「震災後は通じたが、2、3年前に電話したときは通じなかった。住所があるから行ってみるよ」
 デカセギで福井県に住む娘との再会はもちろん、生まれた神戸市に行くのを何より楽しみにしている。「生まれたところに立ってみたい。六甲山に登って、そこから神戸港を眺めたい。どんな思いがするかね」と顔をほころばせた。
 「小さかったから覚えてないけど日本は祖国」と話すのは、33年に4歳で移住した角田智明さん(84、広島)。ブラジルで生まれ、5歳で帰国した従弟との再会が楽しみと写真を持参する。「墓参りはもちろん、親父がよく話していた温泉にも入ってみたい」と期待に胸を膨らませている様子をみせた。

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