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ニッケイ新聞 2013年4月11日

 来聖することになったリオの知人がニッケイパラセホテルに予約のため電話。乳児もいるためベビーベッドを用意して欲しいと頼んだ。すると「壊れていますので…」という。宿泊は2週間先。直すか新たに購入できないのか聞いても「無理です」の一点張り。「4つ星ホテルの対応じゃないね」と怒り心頭の様子だった▼それを聞いたコラム氏は「なるほど流れ星か」と合点がいった。売ると決まった家に金をかけるバカはいない。創業者の上野アントニオ氏が一昨年に亡くなって以来の売却の噂。すでにホテル前のガレリアを買収した中国人との交渉が最終段階に来ていると小耳にはさみ、尖閣に先駆けてリベルダーデに王手がかかったと思っていた▼それだけに今回の買収劇の主役、池崎博文氏の英断には驚いた。マイリポランに城は建てても、リベルダーデに金はかけないとコロニア巷間でささやかれてきたからだ。1981年にオープンしたさい、パウリスタ新聞の取材に上野氏は「東洋街のレベルアップのため建設を決めた」と答えている。日系が追いやられているリベルダーデの現状を嘆く池崎氏がこの思いをどう受け継ぐか▼商売柄、物事を斜めに見る癖がついている。「ジャパンタワー建設を」とさんざんコロニアを騒がせ、結局はリベルダーデの土地を中国人に売り渡し大うっちゃりを食わせた天野鉄人氏(ピニャール在住)の例もある。池崎氏もコロニアきっての商売人、どうするのかが見ものだ。ただ「最後の仕事」と言い切っているだけに、世間の期待は裏切るまい。御年86歳。戦前移民の気概と底力を見せつけてほしいものだ。(剛)

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