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CIATE・昭栄奨学金=奨学生6人が決定、抱負語る=「両国で通用する人材に」

ニッケイ新聞 2013年5月21日

 数年前にブラジルから撤退した昭栄株式会社が当地に残した約83万レアルを原資とし、帰伯したデカセギ子弟などに授与する「昭栄奨学金」の対象者6人が決定し、18日に行われた国外就労者情報援護センター(CIATE)主催の講演会でそれぞれ今後の目標を語った。
 当地の大学に通う、帰伯子弟やデカセギ経験者を親にもつ人を対象とし、返済は無用。卒業まで毎月1最低給が支給される。11人の応募者の中から、CIATEの学術評議員5人により6人が選ばれた。
 佐藤井手スウェーレンさん(23、三世)はサンパウロ大学2年生で、環境マネジメントを学ぶ。日本に居たのは2〜4歳頃だが、「ブラジルの環境を良くするための勉強をしたい」と日本語で抱負を語った。
 7年間愛知県に住んだ木村ユキオさん(20、三世)は、中学卒業後は工場で働いていたものの「ブラジルで大学に行きたい」と、伯国での将来設計をめざして帰国した。しかし、「いざ帰ってみたら、現実は厳しかった」。「物価も高くて学費を払うのは困難だった。この奨学金のおかげでとても助かる」と話し、謝意を示した。
 その他、父親が2008〜10年まで群馬県に住んだという松浦亨美さん(なおみ、19、二世)、5年間日本に住んだ田畑タイスちえみさん(23、三世)、サンカルロス連邦大学で理学療法を学ぶ小野フェルナンダさん(22、三世)も、それぞれ抱負と謝辞を語った。
 最年長で、15年間日本に住んで帰国した宮ロドリーゴさん(30、三世)は、モジの大学で経営学を学ぶ。「日本では仕事しかしていなかった。ずっと帰りたいと思っていた」というものの、結果として人生の半分を日本で過ごした。
 「日本での仕事の経験そのものは、ブラジルで役立てられると信じている。今後は、これに加えて学歴も身に付けて、こっちで頑張っていきたい」との決意を語った。
 二宮正人CIATE理事長は「学歴がすべてではないが、現代社会では助けになる。ブラジルと日本の両国における優秀な人材となるべくしっかり勉強して、それぞれが社会に貢献してほしい」と激励した。
 この発表は、在聖総領事館の植田敏博領事を講師に招いた講演会「入管法改正と在留外国人の現状について」の最後に行われた。

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