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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2013年5月21日

 17日夜、文協ビルで開かれた「日本の美」の開会式で、18日付7面掲載の韓国人映画監督のチョー・キョンドク氏に会う機会を得た。日本に住んだ事があり日本語を解する同氏は、「韓国人コミュニティには文協ビルのようなコミュニティ独自の施設がないから、日系社会がこのような立派な施設を持ち、伝統文化を連綿と伝えている事がうらやましい」と語ってくれた▼文協貴賓室や大講堂前のホールで邦楽や茶道、生け花、木目込み人形その他の伝統工芸などに触れ、移民105周年を迎えた日本人・日系人が残し、伝えてきた伝統文化のすばらしさや継承の重さを慮った言葉だ。邦楽協会理事長やいけ花協会会長は非日系人である事は、日本文化が広く、かつ深く浸透してきている事の証しだ▼一方、19日のNHK「世界ふれあい街歩き」では、イタリアのバーレという街の人々との出会いを放映。その中で、料理用のニョッキを作る母娘とそれを横で見る父親の姿が目を引いた。「ママはナイフだけで上手に作る」との父親の言葉の後、ナイフを1回滑らすだけで思い通りの形に仕上げていた母親が、ナイフで取り分けた後に手で形を整える娘を見て、「この娘はまだまだ練習が必要ね」と言う場面と、「これが相続」との一言が続いた▼親から子、子から孫へと伝わる数々の技。その昔、母と餃子を作った光景などが蘇り、華々しく式典を飾る事はなくとも、家庭の味などを日々伝える事も文化なのだと改めて考えさせられた。一緒に何かに取り組む事や自分を磨く『育自』の大切さを思わされた週末だったが、子供は皆ヴィラーダなどへ出かけた。(み)

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